新拠点「かつやま青果市場」が誕生
福井県勝山市に、地域農作物を支える新しい拠点「かつやま青果市場」がオープンします。2023年11月7日(金)にグランドオープンするこの市場は、勝山市観光まちづくり株式会社(勝山DMO)が運営。地元の新鮮な農産物の安定供給を目指した取り組みとして、多くの地元農家や観光客をつなぐ“食の循環”を生み出すことに力を注いでいます。
ここ数年、長年地域の青果流通の中心として機能してきた「若猪野青果市場」が高齢化や出荷量減少に直面し、維持が難しくなっていました。その一方で、コロナから回復した観光客数が増加し、地域の飲食店や宿泊施設も充実してきました。これに伴い、地元の食材に対する需要が一層高まっているため、青果市場の新設は急務とされていました。
地域経済の基盤を支える取り組み
勝山DMOは、2020年から道の駅の運営に取り組む中で地域の現状や課題を把握し、一次産業の重要性を改めて実感しました。観光振興だけでなく、地域経済を支えるために、青果市場の運営準備を進めてきた結果、「かつやま青果市場」が開設される運びになりました。
この新しい市場は、勝山産を中心とした新鮮な青果を安定供給し、飲食店や宿泊施設、地域の小売業者の多様なニーズに応えます。また、地元農業の発展を助けるため、ブランド化や商品開発にも積極的に取り組む予定です。
併設されたカフェ「CAFE MOOI」では、地域の旬の食材を用いたメニューを提供します。例えば、新鮮な野菜を使用したサラダやサンドイッチ、パンケーキなどがラインナップされており、食の新たな楽しみを提供する空間です。特に「MOOI」という名は、オランダ語で「美しい」を意味し、勝山の自然や青果の美しさを表現しています。
「かつやま青果市場」と「CAFE MOOI」の特徴
「かつやま青果市場」は、BtoB(企業間取引)を主とし、新鮮な青果を流通させる拠点としての役割を果たします。市場内には青果の集荷・販売・配送を行う区域と、飲食関連の区域が設けられ、地域商業者と連携を図りながら新販売先の開拓にも取り組む予定です。
カフェ「CAFE MOOI」では、11:00から18:00まで営業し、火曜日が定休日となっています。提供されるメニューには、サンドイッチプレートや市場サラダ、さまざまなデザートがあり、リラックスした時間を楽しむことができます。
地域の未来を切り開く勝山DMO
勝山DMOは、観光の産業化を visionに掲げ、訪れた人々が再び訪れたくなるサービスの提供に努めています。観光知識の共有や人材育成に力を入れ、今後も地域の魅力を引き出す取り組みを進めていく方針です。サステイナブルな形で地域の農業を支え、「食」の循環を促す新たな拠点として期待される「かつやま青果市場」と「CAFE MOOI」。これからの地域の発展に目が離せません。