介護報酬改定の実感調査結果から見る現場の課題と将来展望
2026年6月、株式会社エス・エム・エスが行った介護報酬改定に関する実感調査の結果が発表されました。この調査は、2025年11月の閣議決定に基づく改定の影響を探り、介護従事者の実感や職場満足度、定着を分析することを目的としています。
調査の概要
調査は2026年6月26日から7月22日にかけて実施され、全国の介護従事者を対象にしたWebアンケートにより、555名が回答しました。結果は、賃上げの実感について以下のように整理されています。
主な調査結果
- - 賃上げの実感:給与に賃上げが反映された、または反映される予定だと回答したのは約3割でした。その一方で、約7割の人が賃上げを実感できていないと回答しました。
- - 基本給の賃上げ額:基本給の引き上げが行われたとした場合、半数以上が1万円未満という結果が出ています。
- - 説明不足:改定に関して事業所から「十分な説明があった」との回答はわずか9.7%に留まり、「説明はなかった」という人が半数を超えています。これにより、国の政策の意義が現場に浸透していない現状が浮き彫りになりました。
- - 職場満足度:介護報酬改定を受けた職場の満足度は「変わらない」が67.9%で最多でしたが、基本給の賃上げを受けた人では62.6%が満足度が「上がった」と回答。一方、賞与や一時金による支給を受けた層ではこの数字が35.3%にとどまり、賃上げの形式により満足度に差が出る結果となりました。
- - 満足度の決定要因:職場満足度に最も影響を与える要素は「将来のキャリア展望」や「評価の公正さ・基準の明確さ」、さらには「業務改善提案のしやすさ」であり、給与水準の影響は相対的に小さいことが判明しています。
現場の声
福祉キャリア事業本部の塩崎雄一郎本部長は、「介護人材の不足と定着が依然として深刻な課題」であるとし、今回の臨時報酬改定の重要性を強調しました。結果を踏まえると、賃上げが実感できた従事者は少数派で、現場での十分な説明も不足しているという現状が明らかになっています。賃上げが職場満足度に及ぼす影響はあるものの、それ以上に重要なのは「将来を描ける環境」と「評価基準の透明性」であるとの指摘がなされました。
この調査結果からは、介護業界が抱える多くの課題が浮き彫りとなり、今後の方針について再考が求められていることが伺えます。エス・エム・エスは、従事者と職場をつなげる良質なマッチングを支援し、職場環境の改善に向けて貢献していく方針です。
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まとめ
今回の介護報酬改定の実感調査は、単に賃上げが行われたかどうかだけでなく、現場の声を集めた結果として重要なデータを提供しています。今後、介護業界が直面する課題やその解決策を見出すためには、業界全体での取り組みが欠かせません。トータルな職場環境の改善が求められています。