EYと日本IBMの協業で進化するDX
日本の企業は今、デジタル・トランスフォーメーション(DX)の重要性をますます認識しています。その中で、EYストラテジー・アンド・コンサルティング(EY)と日本IBMが提携し、新たにAIソリューション「Work Agent One」を提供することが発表されました。この取り組みは、急速に進むデジタル化の流れにおいて、企業の業務プロセスの複雑化解消とビジネス価値の最大化を目指しています。
企業が抱える課題
近年、多くの企業が営業支援システムや顧客管理システム(CRM)を導入し、より効率的な営業活動へのシフトを図っています。しかし、導入後も営業業務の強化や業務効率の向上が実現できていない企業が少なくありません。これには、複数のシステム導入による業務プロセスの複雑化が一因とされています。多様なユーザーインターフェイスが存在することで、従業員の体験(UX)が低下し、業務が思うように進まないケースが目立っています。
「Work Agent One」 の概要
このような現状を受け「Work Agent One」は、EYの業務分析・変革ノウハウとIBMの生成AI技術を掛け合わせて開発されました。本ソリューションは、AIエージェント製品である「IBM watsonx Orchestrate」を基盤としており、会話形式で指示を受け取り、自律的に業務を実行できます。これにより、様々なシステムやツールのインターフェイスを統合し、業務の効率化と高度化を促進します。
たとえば製造業界では、特許申請管理の申請物確認作業を簡素化し、比較的煩雑な確認プロセスを大幅に短縮することができます。また、不動産業界でも、複数の関係者を交えた契約業務の負担を軽減できます。これにより、企業の担当者は運用から解放され、よりクリエイティブな業務に集中できる環境が整います。
EYと日本IBMの役割
EYは経営コンサルティングの経験を活かし、デザインフェーズと定着化フェーズで支援します。業務やデータフローの見直しを行い、AIの活用が最も効果的に行われるようにサポートします。一方、日本IBMは生成AI技術の提供を通じて、企業のプロセスの自動化や効率化を実現します。協業を通じて,実用的なAIソリューションの提供を目指します。
今後の展望
EYは、顧客企業の成長を総合的に支援し、特に営業DXにおけるUXとAI活用に注力しています。日本IBMも、AI技術を駆使し企業のデジタル化を加速させることを狙っています。この新たな協業は、顧客接点全般にわたって包括的なサポートを行うことで、企業のDXに寄与することを目指します。
まとめ
この協業がもたらす新たなAIソリューション「Work Agent One」は、日本企業におけるデジタル化の重要な一歩となるでしょう。EYとIBMの連携が、業務プロセスの改革と新たなビジネス競争力の確立に寄与すると期待されています。