慶應イノベーションが米One Genomicsに出資しゲノム編集プラットフォームを支援

慶應イノベーション・イニシアティブが出資

慶應イノベーション・イニシアティブ（KII）は、九州大学発のスタートアップであるOne Genomicsへの出資を決定しました。One Genomicsはサンフランシスコに拠点を置き、日本国内での研究開発を進めています。この出資により、同社はSafeguard gRNA Technologyの研究や顧客開拓をさらに加速させる予定です。

Safeguard gRNA Technologyについて

One Genomicsが開発しているSafeguard gRNA Technologyは、ゲノム編集の効率と安全性を飛躍的に向上させることを目指しています。一般的に使用されているCRISPR-Cas技術には、目的以外の遺伝子の変異や細胞毒性といった副作用が存在しており、特に医療分野での実用化には安全性が重要な課題とされています。

この新しい技術は、Cas9システムだけでなくBase editorなどのCRISPR編集ツールを自在にコントロールし、iPS細胞などの編集効果を最大化することが可能です。これにより、安全な遺伝子治療の実現に向けた道が開かれると期待されています。

One Genomicsのビジョン

同社は、自社開発の技術を国際的に普及させ、ゲノム編集におけるゴールデンスタンダードとなることを目指しています。具体的には、医療分野でのインパクトを重視し、安全性の高い治療法の開発に努める姿勢が見受けられます。

KIIの取り組み

慶應イノベーション・イニシアティブは、2015年の設立以来、主に慶應義塾大学の研究成果を活用したスタートアップへの支援を行っています。特に2020年からは、デジタル技術や医療分野への投資を強化し、多様な社会課題の解決に貢献してきました。最近では、大学VC初のインパクトファンド「KII3号インパクトファンド」を設立し、健康で幸福な社会の実現を目指しています。