グロービング株式会社の新たな挑戦
東京都港区に本社を構えるグロービング株式会社は、最近、重要なステップを踏み出しました。それは、AIエージェント「グロービングくん」によるホワイトカラーやコンサルタント業務の効率化を目指す中で、会議の生産性向上を目的とした特許を取得したことです。この特許は「会議評価のためのシステム及びプログラム」に関するもので、特許第7759523号として2025年10月15日に登録されました。
特許がもたらす新たな可能性
この特許技術は、会議を多面的に定量的に評価するためのものであり、グロービングの主力プロダクトである「AI議事コン」に深く関与しています。具体的には、会議の目的に対する明瞭度や議論の回収度、さらには発言のバランスをAIが可視化することで、参加者がより生産的な議論を行える環境を提供します。これにより、会議からより多くの価値を引き出すことが期待されます。
論文賞受賞の意義
さらに、グロービングの社員が情報処理学会のDICOMOシンポジウムで発表した研究が、同シンポジウムでの優秀論文賞を受賞したことも大きなニュースです。この論文では、チャット型生成AIアプリの6ヶ月にわたる利用ログを分析し、利用の定着パターンに関する重要な発見が報告されています。具体的には、利用頻度が低いまま離脱する群や、途中から利用頻度が高まる群、継続的に高頻度で利用する群の三つのタイプに明確に分かれたことが示されています。
研究者である角田啓介氏は、「早期に適した利用パターンを確立すれば、定着につながりやすいが、いろいろと試して定着しないグループには注意が必要」と強調します。このように、実際のデータをもとにした研究成果は、今後のプロダクト開発に大きな影響を及ぼすでしょう。
今後の展望とは
グロービングは、特許と論文によって得た知見をもとに「AI議事コン」をさらに発展させる考えです。社内利用や共同開発クライアントでの運用を経て、クラウドサービスとしての提供を拡大する計画も進めています。また、経営OS構想の一環として、意思決定や会議の高度化にも取り組み、より効果的なビジネス環境を築くことを目指しています。
企業情報
グロービング株式会社は、2017年に創立し、2021年に創業しました。代表取締役社長は田中耕平氏で、共同トップに中川和彦氏がいます。同社は、コンサルティングとAI事業に注力し、特にJoint Initiative型コンサルティングやAIを活用したクラウドプロダクトの提供を行っています。
今後もグロービングがどのようにAI技術を活用し、働き方を変えていくかに注目です。