行動経済学と管理職研修の新しい潮流
2023年10月、インテックス大阪で開催された「第1回 理想の管理職EXPO」。このイベントの2日目、特に注目を集めたのは株式会社イマジナによるセミナーでした。「行動経済学」をテーマに掲げたこのセミナーでは、従来の人材育成にとらわれない新たなアプローチが提案されました。参加者たちは、科学的視点から導かれる課題解決手法に熱心に耳を傾けたのです。
組織づくりにおける「やる気」の再定義
この日のメインセミナー『「社員が自ら動く組織」の条件とは?』では、代表の関野吉記が登壇し、特に「若手社員の主体性不足」をテーマに議論が展開されました。従来の「やる気」を重視するアプローチとは一線を画し、行動経済学の基本的な考え方、つまり「人は論理ではなく感情と環境によって動く」という原則をもとに、効果的なマネジメント法が提案されました。その方法とは、管理職が「選択のアーキテクチャ」を巧みに構築すること。これにより、無理にモチベーションを引き出すのではなく、自然に学びたい、貢献したいという意欲を引き出す仕組みが強調されたのです。
管理職の重要性と企業のブランド力
イマジナのブースでは、管理職ブランディングの重要性が議論されました。多くの企業が製品やサービスのブランド力を誇っているにもかかわらず、採用や人材の定着に苦労している背景には、管理職の求心力不足が潜んでいます。代表の関野は、管理職が企業の理念を体現することで、部下のエンゲージメントを高められるという手法を詳述。信頼できるリーダーが集団の行動を変える要因となることも、行動経済学の観点から明らかにされています。
学びへの渇望と書籍の配布
ブース内では、関野著の『管理職のチカラ』が無料で配布され、多くの来場者が列をなしました。特に、前日参加した人たちが再度訪れるケースや、口コミでその評判を聞いた経営者が部下を連れてきている姿も見受けられました。これにより、学ぶ意欲が高まっていることがうかがえます。
最終日への期待
イベントの最終日となる21日(金)には、心理学と行動経済学を基にした「コミュニケーション」の重要性が焦点となります。特に、日常の対話にどのように理論を組み込むか、組織改革を進めるための具体的な技術が提供される予定です。集客や盛り上がりが最高潮に達することが期待されています。
株式会社イマジナのビジョン
「人に投資することがスタンダードとなる時代を創る」という理念のもと、株式会社イマジナは、3,000社以上の企業に人材育成の支援を行っています。管理職研修や理念策定など、ワンストップでのサービスを展開し、経営者の想いを社員に浸透させる取り組みを推進しています。
このような新しい試みは、今後の組織づくりに大きな影響を与えることでしょう。