アマダ、溶接賞2冠達成!
2024-06-25 19:14:00

アマダ、「FLW-ENSISe」シリーズで日本溶接協会賞「技術賞(本賞)」と「溶接注目発明賞」を受賞!

アマダ、「FLW-ENSISe」シリーズで溶接業界の課題解決に貢献!日本溶接協会賞2冠達成!



株式会社アマダは、2023年度(第54回)日本溶接協会賞において、レーザ溶接ロボットシステム「FLW-ENSISe」シリーズの開発で「技術賞(本賞)」、加工条件に応じたレーザビームプロファイル可変技術の発明により「溶接注目発明賞」を受賞しました。

表彰式は2024年6月12日に開催され、アマダの革新的な技術が改めて高く評価されました。

日本溶接協会賞とは?



日本溶接協会賞は、一般社団法人日本溶接協会が、日本の溶接業界に貢献した個人や企業を表彰する賞です。

「技術賞(本賞)」は、日本の溶接技術の発展に貢献した技術開発者に贈られます。「溶接注目発明賞」は、日本の工業の発展と国民生活向上に寄与した特許発明に対して贈られます。

「FLW-ENSISe」シリーズで実現した革新性



「FLW-ENSISe」シリーズは、板金製造現場における人手不足や熟練技能の継承といった課題を解決するために開発されました。

従来のレーザ溶接ロボットでは、多品種少量生産への対応、製品ロットごとの寸法誤差やすき間への対応、様々な材質や継ぎ手形状への対応など、多くの課題がありました。「FLW-ENSISe」シリーズは、これらの課題を克服するために、以下の革新的な技術を搭載しています。

開発技術①: 6軸多関節ロボットに、走行台車と2軸ポジショナーテーブルを含む最大9軸協調動作システムを標準化し、広範囲でフレキシブルかつ高精度なシステムを構築。3次元CADや溶接CAMを用いて9軸協調動作のプログラミングを視覚的に生成することで、オフラインプログラミングを可能にしました。

開発技術②: 3次元CAD、画像処理、AI技術を応用したAI-TAS(ティーチングアシストシステム)により、ロボットプログラムの補正を完全自動化。さらに、板金特有の「仮止め痕」「せん断面」など予測できないノイズを除去することで、ロバスト性を向上させています。

開発技術③: 6kWシングルモジュール発振器と、ビームプロファイル可変技術、ビームウィービング機構により、様々な材質や板厚、溶け込み形状、継ぎ手形状などに対してビームパワーを落とさずに安定した溶接を実現しました。

レーザビームプロファイル可変技術:革新的な発明



「溶接注目発明賞」を受賞したレーザビームプロファイル可変技術は、ファイバーレーザ溶接加工における新たな技術です。

従来、ファイバーレーザ溶接加工では、材料に照射するビームプロファイルによって加工プロセスが大きく変動するため、材質や溶け込み深さ、ビード幅に応じて適正なビームプロファイルを変更する必要がありました。しかし、従来の技術では、ファイバー出射端からのビームの拡がり角とビームプロファイルが固定であったため、主に集光レンズを交換する方法が主流でした。

アマダは、NC制御により任意のビームプロファイル形状とビームスポット径(パワー密度)に瞬時に変更することを可能にしました。光ファイバーコアへの入射位置を制御し、出射ビーム拡がり角を可変することで、様々なプロファイル形状を得ることが可能になりました。これにより、高速・深溶け込み溶接からフィラー溶接まで、NC指令により1プログラム内で切り替えを可能にしたのです。

アマダの挑戦は続く



アマダグループは、今回の受賞を励みに、今後も次世代のモノづくりを探求し、社会課題に貢献できるイノベーション創造に取り組んでいくとしています。

アマダの「FLW-ENSISe」シリーズ、溶接業界の未来を変える可能性!



アマダが開発した「FLW-ENSISe」シリーズは、単なるレーザ溶接ロボットシステムではありません。それは、日本の製造業が抱える深刻な人手不足や熟練技能の継承問題に対する、具体的なソリューションなのです。

「FLW-ENSISe」シリーズは、従来のレーザ溶接ロボットが抱えていた課題を、独自の技術によって克服しています。特に、AI-TAS(ティーチングアシストシステム)によるロボットプログラムの自動補正機能は、まさに画期的な技術と言えるでしょう。これにより、現場オペレーターの負担を軽減し、溶接工程の効率化を実現することが可能になります。

さらに、「溶接注目発明賞」を受賞したレーザビームプロファイル可変技術は、溶接加工の精度と柔軟性を飛躍的に向上させる技術です。従来のように集光レンズを交換する必要がなくなり、NC制御によって瞬時にビームプロファイル形状とビームスポット径を変更できるため、様々な材質や形状に対応できます。この技術は、今後、多種多様な製品の製造を可能にするだけでなく、新たな加工技術の開発にも繋がる可能性を秘めていると言えるでしょう。

アマダは、今回の受賞を励みに、今後もさらなる技術革新を進めていくと宣言しています。同社の技術革新は、日本の製造業の競争力強化に大きく貢献すると期待されます。

一方で、人手不足や熟練技能の継承は、製造業全体で共通の課題です。アマダの技術革新は、他の企業にとっても参考になる点が多く、広く普及することで、日本の製造業全体を活性化させる可能性を秘めています。

今後のアマダの動向に注目し、日本の製造業の未来を期待したいです。

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