小豆島の古民家が宿泊施設として生まれ変わる
国の助成金やクラウドファンディングを活用して、10年もの間空き家と化していた名家の邸宅が新たな宿泊施設「お屋敷ステイ 幸(こう)」として生まれ変わりました。香川県小豆郡小豆島町に位置するこの施設は、昭和6年に建てられた母屋と明治期の蔵を利用した一棟貸しの宿です。
空き家問題の背後にある課題
小豆島は高齢化が進み、若者が島外に流出する傾向にあるため、空き家の増加が問題になっています。この新しい宿泊施設は、空き家を「泊まれる地域資産」に転換することで、地域経済の活性化に寄与することを目指しています。
元のオーナーが月に1度訪れるだけで管理が行き届かなかったこの邸宅は、広大な敷地面積3000平米を誇りますが、住むには大きすぎるために市販の対象にはならず、再生に向けた道のりは険しかったと言えます。
再生を果たした宿泊施設
新たに施設を運営するのは、代表取締役の加藤直樹氏。彼は神奈川で13年、アメリカで約5年間の営業経験を積んだ後、家族と共に小豆島に移住しました。合計9200万円の投資を行い、宿泊施設は着々と進化を遂げました。リノベーションされた場所には、半露天風呂やサウナ、蔵を活用したBAR、日本庭園など、施設内での贅沢な体験が可能です。玄関には、醤油製造時代の名残を残した重石が置かれ、地域の歴史を感じることができます。
滞在型観光の新たな提案
「お屋敷ステイ 幸」は、特別な滞在体験を意味する場所として設計されました。宿泊者には港からの送迎や、地元の食材を使用したプライベートシェフの手配、敷地内での農業体験など、地域とのつながりを強化したサービスが用意されています。これにより、観光客に小豆島の魅力を存分に体験してもらうことが狙いです。
1日1組限定、最大9名までの宿泊が可能で、料金は平日2名で77,100円(税込、季節によって変動あり)から。さらに、ふるさと納税を利用した宿泊クーポンも提供し、全国展開を目指します。
今後の展望
加藤氏は、2・3世帯での旅行先としての認知度を高め、小豆島を「子どもが戻りたくなる島」とするための活動を続ける意向を示しています。地域資源を最大限に活用した観光事業として、持続可能な観光地モデルを築くことが期待されています。
「小豆島の美しい自然と歴史をもっと多くの方に知ってもらいたい」と語る加藤直樹氏。こうした新しい宿泊モデルが、地域の活性化と共に多くの人々に愛されることを願うばかりです。
お問い合わせ・取材を希望される方へ
小豆島リトリーツ株式会社
代表取締役 加藤 直樹
TEL: 080-7355-7210
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事業内容:古民家の一棟貸し宿運営、地域資源を活用した体験プログラムの提供