独立行政法人国際協力機構(JICA)とソニー銀行株式会社は、開発途上国での持続可能な農業を推進する「Synecoculture」への支援について合意しました。この取り組みは、持続可能な食料生産と生態系の回復を目的としており、2025年度から5年間にわたり、毎年1,000万円を寄付する形でサポートされます。
Synecocultureとは
Synecocultureは、多様な植物を混生・密生させることで豊かな生態系を作り出し、人工的な農法に依存しない持続可能な農業手法です。耕起や施肥、農薬なしで農業生産が可能であり、著名な研究者である舩橋真俊氏がこの農法を提唱しました。彼はこの技術を利用し、2015年にはブルキナファソでの実証実験に成功し、砂漠化した土壌をわずか1年で再生させる成果を上げています。
JICAの取り組み
JICAは、20の事業構想の1つとして「JICAグローバル・アジェンダ 17.自然環境保全」を掲げ、開発途上国の様々な課題解決を目指しています。特に、今回のSynecocultureの導入により、自然環境と人間活動の調和を図りつつ、持続可能な社会の構築を目指しています。具体的な活動は2025年度から始まり、対象地域はセネガルとカメルーンです。セネガルでは乾燥地における土壌劣化対策、カメルーンでは森林劣化地の回復を進める方針です。
ソニー銀行の活動
ソニー銀行は、都市部でもSynecocultureの重要性を広めるために、2024年から都立日比谷公園で花壇を管理し、社員が生物多様性や持続可能な社会について学ぶ機会を創出します。今回の取り組みは、SDGs(持続可能な開発目標)の達成にも寄与するものと考えられています。
JICAからのコメント
この度、JICAの伊藤晃之地球環境部長は、ソニー銀行の支援に感謝の意を表し、民間企業との協働が強調される中での重要な一歩であるとコメントしました。この支援が、開発途上国での持続可能な開発を加速させると期待されています。
まとめ
ソニー銀行とJICAの協力によるSynecocultureの導入は、開発途上国における生態系回復や持続可能な食料生産に向けた新たな希望です。今後この取り組みがどのような成果を上げるのか、注目が集まります。