神奈川歯科大学キャンパスセンターが受賞
最近、アメリカの国際的な建築デザイン賞「The Architecture MasterPrize 2024」において、神奈川歯科大学キャンパスセンターが教育施設部門で受賞しました。この授賞式は11月18日にスペイン・ビルバオのグッゲンハイム美術館で華やかに行われ、日本では初めての受賞となります。
アワードの意義
「The Architecture MasterPrize」は、世界の優秀な建築やランドスケープデザインを表彰する権威ある賞です。映画業界で言うところのカンヌ国際映画祭やヴェネチア国際映画祭に相当する存在で、これまでに受賞履歴を持つ建築家は安藤忠雄やザハ・ハディドなど、日本や世界のトップデザイナーたちです。建築の創造性や革新性を高く評価するこの賞での受賞は、アトリエMEMEにとって大きな栄誉となりました。
KDUキャンパスセンターの概要
神奈川歯科大学キャンパスセンターは、神奈川県横須賀市に位置し、老朽化した事務棟の更新に伴い、職員と学生の双方が利用できる公共性の高い空間を目指して建設されました。この新たな施設は、広場のように人々が自由に集うことができる場所を創出することが目的です。空間設計においては、地域の人々も気軽に訪れることができるよう配慮されています。
建物の特徴
このキャンパスセンターのデザインにはいくつかの特徴があります。まず注目すべきは、柔らかくのびやかな屋根です。まるで雲に包まれているかのような印象を与えるこの大屋根は、特殊な工法で作られ、人々が集まるための空間を意識しています。
屋根の下には開放的なエントランスホールや、大学のシンボルツリーが見えるテラス、さらにさまざまな憩いのスペースが配置されています。これにより、来訪者は目を楽しませながらリラックスできる環境が整っています。
外壁デザイン
また、カラーコンクリートを使った外壁も印象的です。古典的なコンクリートフレームに特殊な顔料を混ぜたこの外壁は、光によって様々な表情を見せ、建物に柔らかい印象をもたらします。カラフルな景観は、白く殺風景だったキャンパスに新しい命を吹き込んでいます。
開放感あふれる学修棟
特に注目すべきは、24時間開放されている学修棟です。学生たちは、好きな時間に訪れて学習やリフレッシュができるこの自由な環境は、学生生活の新しい拠点として期待されています。
地域との調和
さらに、KDUキャンパスセンターは地域とのつながりも大切にしています。キャンパスと隣接する三笠公園との境界を曖昧にし、開放感を持って訪れやすい環境が整っています。ポールフェンスや広いゲートなど、見通しの良いデザインが施され、地域住民にも親しみやすい施設に仕上がっています。
設計者のこだわり
このプロジェクトを手がけた「アトリエMEME」は、「やわらかな建築」をテーマに多種多様な施設を設計してきた一級建築士事務所です。近年は教育施設の設計に特に力を入れ、大学や専門学校のプロジェクトを多数手掛けています。受賞歴も豊富で、業界の中で高い評価を得ている設計事務所として知られています。
最後に
アトリエMEMEの理念のもと、神奈川歯科大学キャンパスセンターはただの建物ではなく、人と地域がつながる新しい「場」としての役割を担うことが期待されています。今後の展開にも注目が集まっています。