睡眠と熱中症の研究
2019-06-20 14:00:12

日本人の睡眠と熱中症の関係を解明した新調査が発表

日本人の睡眠と熱中症の関係性に関する新たな調査



最近、一般財団法人日本気象協会と西川株式会社が行った調査が注目を集めています。この調査では、日本人の睡眠と熱中症の関連性について深く掘り下げられ、特に蒸し暑い夏を迎えるにあたっての健康リスクを軽減するための重要な発見がなされました。

熱中症と睡眠の関係とは


調査の結果、熱中症に救急搬送される人が多い日の前夜は、一晩の中途覚醒時間が長く、睡眠効率が低い傾向が示されました。具体的には、熱中症救急搬送者数が多い日には、前夜の中途覚醒時間が長く、睡眠効率が低いことが確認されました。このことから、熱中症のリスクを軽減するためには、質の高い睡眠が極めて重要であることが分かります。

また、夜間の平均気温が高いほど、中途覚醒時間が長くなり、結果的に睡眠効率が低下する傾向が見られました。調査結果によると、寝苦しい夜では、中途覚醒時間が2時間以上の人は、10分未満の人と比べて平均気温が約2℃高く、睡眠効率が65%未満の方々は、95%以上の方々と比べて夜間の平均気温が約3℃高いことが分かりました。この背景には、熱帯夜や高湿度など、日本の夏特有の気象が影響していることが考えられます。

快適な睡眠環境の重要性


この調査は、日本人が抱える睡眠環境の問題を改善するための手助けとなります。調査結果に基づき、専門家からは、快適な睡眠環境を整えることの重要性が強調されました。特に、暑い時期にはエアコンの使用が推奨されています。寝室の室温が29℃を超えると眠りにくくなるため、快適な温度に保つことがカギとなるのです。

専門家のアドバイス


東北福祉大学の水野一枝教授は、睡眠と体温の関係について深い知見を提供しています。睡眠時には体の深部温度を下げないと深い眠りに入れないため、室内の温度や湿度を管理することが極めて重要です。湿度が高い場合、汗の蒸発が阻害され、体温調節が難しくなるため、これも眠りに影響を及ぼします。

日常生活に役立つ睡眠改善のヒント


調査を受けて、快適な睡眠を実現するための実践的な提案も多く挙げられています。まず、日中に太陽光をしっかり浴びることで、夜間のメラトニン分泌を促進し、眠りやすくなります。また、夕食は早めに済ませ、就寝の1~2時間前にぬるま湯で入浴することが推奨されます。

さらに、就寝時は軽装にし、布団の中で「眠る」以外のことは避けることが、快適な眠りのためのポイントです。これにより、寝つきが良くなり、深い眠りに入ることが可能になるでしょう。

結論


この調査を通じて、睡眠の質と熱中症のリスクは密接に関連していることが明らかになりました。これから暑くなっていく季節、より良い睡眠環境の整備が至上命題となっていくでしょう。皆さんも、調査結果を参考にして、快適で健康的な夏を迎えてください。

会社情報

会社名
一般財団法人 日本気象協会
住所
東京都豊島区東池袋3-1-1サンシャイン60 55階
電話番号
03-5958-8111

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