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アレルギーワクチン「FPP004X」の臨床試験開始

株式会社ファンペップ（本社：大阪府茨木市、代表取締役社長：三好稔美）は、花粉症に対する新たな革新的治療法を開発中です。具体的には、抗体誘導ペプチド「FPP004X」を使用したアレルギーワクチンの第Ⅰ相臨床試験を開始し、ついに初回の被験者への治験薬投与が実施されました。この試験は、健康な成人やスギ花粉症の患者を対象に、安全性や効果を評価することを目的としています。

花粉症の現状

花粉症は、スギやヒノキなどの植物から放出される花粉に過剰に反応するアレルギー疾患であり、多くの人々を悩ませています。症状としては、くしゃみ、鼻水、鼻づまりに加え、目のかゆみが一般的です。2019年の調査によると、日本国内での花粉症の有病率は全体で42.5％に達し、中でもスギ花粉症の患者は38.8％と高い数字を示しています。この状況を受けて、政府も花粉症対策を重要な社会問題として捉え、様々な取り組みを強化しています。

花粉症の治療薬市場は、2019年だけで約1,700億円とされ、需要はますます高まっていることがわかります。

新たなアプローチの必要性

従来の花粉症治療法では症状の緩和は図れるものの、根本的な解決には至っていません。FPP004Xは、体内でIgE（免疫グロブリンE）抗体を生成させることによってアレルギー根本からアプローチします。IgEは異物を排除する役割を果たしますが、花粉などに結びつくとアレルギー反応を引き起こします。このワクチンは、免疫細胞に抗IgE抗体を持続的に生成させることで、アレルギーに対する長期的な効果を期待できるのです。

当社は、FPP004Xを花粉症の第一適用症とし、花粉の飛散が始まる前に投与することで、シーズン中を通して症状を軽減できるという利便性の高い新しい治療選択肢を提供することを目指しています。

臨床試験の詳細

FPP004Xに関する本試験は、健康な成人を対象としたパート1と、スギ花粉症の患者を対象とするパート2に分かれています。両者とも、FPP004Xあるいはプラセボを4週間ごとに2回または3回投与し、それに伴う安全性や免疫原性を評価します。特にパート2では、人工的に花粉を放出する環境を用いて、実際のアレルギー反応の測定も行う予定です。

未来への期待

FPP004Xに関しては、2024年3月に塩野義製薬とのオプション契約を締結しており、全世界での研究開発および商業化権に関するオプションを取得しています。これにより、FPP004Xのさらなる開発が期待され、世界中の花粉症患者にとって有益な治療法として広がる可能性があります。

治療法の進化とともに、花粉症に苦しむ多くの人々に新たな希望をもたらす日が来ることを期待しています。

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