大阪府茨木市の鉢伏山が環境省に認定される
大阪府茨木市に位置する鉢伏山は、株式会社I-neが進める「Hachibuse Nature Positive Project」により、環境省の「自然共生サイト」として認定されました。このプロジェクトは、生物多様性の保全を目的とし、地域社会との協力を重視した活動を展開しています。
自然共生サイトとは?
「自然共生サイト」は、民間の取り組みを通じて生物多様性の保全が進められている区域として、環境省が認定する制度です。この制度は2023年度から施行され、地域生物多様性増進法に基づき初めての認定が行われました。ネイチャーポジティブの実現に向けた取り組みで、自然を回復軌道に乗せ、生物多様性の損失を止めることを目指しています。
鉢伏山の環境保全活動
I-neは2023年より、茨木市鉢伏山で保全活動を開始しました。ここは、大阪都心からも近く、地域社会と自然が共生する理想的な環境を有しています。鉢伏山は水源涵養保安林に指定されており、その自然環境は貴重です。I-neの社員も定期的に参加し、2018年の台風で甚大な被害を受けたエリアの広葉樹林化を進めています。これにより、今後も生物多様性の増進に寄与し、都市近郊における新しい里山保全のモデルを構築する意向です。
地域との密接な協力
このプロジェクトは、地元の岩阪自治会や森林整備を担う鉢伏山森づくりの会、大阪府森林組合など、多様なステークホルダーと協力して進められています。地域住民を対象に自然観察会を開催するなど、開かれた活動を通じて地域との結びつきを大切にしています。このような充実した連携が評価され、環境省の認定に至ったのです。
コメント:地域の期待に応える
鉢伏山の認定を受けて、岩阪自治会の眞並恭介氏は、「山は生活の一部だったが、荒れてしまった時期もあった。しかし、地域の人々とボランティアが協力して再生を進めてきた。この認定が、多くの人の手によって未来へ引き継がれることを願っています」と語っています。また、大阪府森林組合の栗本修滋氏は、「鉢伏山はササユリやカブトムシなどが生息する豊かな自然です。地元活性化のためにI-neの協力が期待されており、この展望は認定にも反映されました。生物多様性の維持・向上に努めていきます」とのコメントを寄せました。
未来への取り組み
I-neは今後も地域との連携を深め、誰もが自然と触れ合える場所を次世代に引き継ぐことを使命としています。自然の保全活動は、地域だけでなく、日本全体においても重要な課題です。このような取り組みを通じて、持続可能な社会の構築に貢献していくことが求められています。
鉢伏山の認定は、地方の自然保全の現場で新たなモデルを示すものとなり、企業と地域が協力することで持続可能な未来を切り開くことが期待されています。これからも監視と努力を重ねて、生物多様性の向上に向けた施策を進めてもらいたいです。