日本と台湾の発酵文化が導く新しい健康飲料
2025年11月13日、スペースシードホールディングス株式会社の代表、鈴木健吾氏が台湾の統園企業股份有限公司を訪れ、微細藻類を原料とした抹茶代替飲料「MATCHA NOVA」に関する講演を行いました。この講演では、日本の科学技術と発酵文化を融合させた「MATCHA NOVA PROJECT」について詳しく紹介されました。
MATCHA NOVA PROJECTの背景
MATCHA NOVA PROJECTは、特にマレーシアを中心とする東南アジアで急増している肥満や糖尿病といった健康課題に対応するためのフードテックプロジェクトです。日本の発酵技術、特に米麹と、免疫調整や抗酸化作用を持つ八重山クロレラを組み合わせることで、新しいウェルネス飲料を作成することを目指しています。
本プロジェクトの独自性は、これらの素材を使って、健康を意識した“グリーンラテ型”の飲料を開発している点にあります。科学的な根拠を基に、ハラール製造に適合し、安定した供給体制を確保しながら、アジア市場に新たな飲料カテゴリーの創出を目指しています。
台湾での展開可能性
台湾は、精緻な茶文化と優れた発酵食品の理解を持つ国で、MATCHA NOVA PROJECTが提案する健康飲料は特に台湾市場に合うと考えられています。また、生活習慣病の増加は台湾社会の現実であり、藻類が持つ血糖コントロール機能や発酵由来の自然甘味を活かした機能性飲料への需要が高まっています。
台湾の食品産業は高度な加工技術を誇り、急激な市場の変化にも迅速に対応可能。そのため、藻類と発酵技術を活用した製品群は、健康飲料や代替乳製品、さらには子ども向けのウェルネス食品など、さまざまなカテゴリーに広がりを見せる可能性があります。
スペースシードホールディングスのビジョン
スペースシードホールディングスは、「SFをノンフィクションにする」というミッションのもと、投資、研究、事業創出に注力する宇宙系ディープテックベンチャービルダーです。彼らは、「Fermentation and Longevity Fund」プログラムを通じて、発酵技術やロンジェビティー技術の社会実装を進め、2040年までに宇宙での人類居住に必要な技術を整えることを目指しています。
新しい飲料市場の創出に向けた挑戦と、台湾市場での成功が期待されるMATCHA NOVA PROJECT。今後の展開に注目が集まります。