東京都 千代田区 文部科学省 遺伝子組換え 専門委員会

遺伝子組換え研究の規制見直しに向けた議論活発化 - 文部科学省専門委員会が開催

文部科学省は6月26日、遺伝子組換え技術等専門委員会（第152回）を開催し、遺伝子組換え研究の規制見直しについて議論しました。会議はWEB会議形式で行われ、関係団体からの提出資料に基づいて活発な意見交換が行われました。

今回の会議では、遺伝子組換え研究の安全性確保と研究開発の促進という両立が重要な課題として認識されました。特に、遺伝子組換え技術の進歩に伴い、従来の規制では対応しきれない新たな課題も浮上していることから、規制のあり方を見直す必要性が指摘されました。

議論の焦点となったのは、以下の3点です。

1. 安全性評価の基準: 従来の安全性評価基準が、最新の遺伝子組換え技術に対応できているのか、見直しの必要性があるのかが議論されました。特に、遺伝子編集技術などの新たな技術によるリスク評価方法について、科学的な知見に基づいた検討が必要であるという意見が出されました。
2. 情報公開: 遺伝子組換え研究に関する情報公開のあり方についても議論が交わされました。国民への情報提供の透明性を確保しつつ、研究開発を阻害しない適切な情報公開の仕組みを構築することが重要であるとの意見が多数ありました。
3. 国際的な連携: 遺伝子組換え技術は国際的な研究開発が進められている分野であり、国際的な連携の必要性も議論されました。国際的な規制基準との整合性を図りながら、日本の研究開発を促進するための戦略的な取り組みが求められるとの認識が共有されました。

今回の会議で示された意見は、今後の規制見直しに向けた重要な指針となることが期待されます。文部科学省は、引き続き関係団体や専門家との意見交換を継続し、科学的根拠に基づいた適切な規制を検討していく方針です。

関連資料:

議事次第(第152回) (PDF66KB)
【資料１】遺伝子研究安全管理協議会　御提出資料 (PDF658KB)
【資料２】日本製薬工業協会　御提出資料 (PDF853KB)
【資料３】日本ウイルス学会　御提出資料 (PDF534KB)
【参考資料１】遺伝子組換え技術等専門委員会構成員（第12期） (PDF98KB)
【参考資料２】関係法令等一覧 (PDF122KB)
* 【参考資料３】遺伝子組換え技術等専門委員会における制度改正の検討の進め方 (PDF69KB)

問い合わせ先:

研究振興局ライフサイエンス課生命倫理・安全対策室

電話番号：03-5253-4111（内線4108）
メールアドレス：[email protected]

遺伝子組換え研究の規制見直し：今後の展望と課題

遺伝子組換え技術は、医療、農業、環境など様々な分野で革新的な可能性を秘めている一方、その安全性や倫理的な問題点も指摘されてきました。今回の文部科学省の専門委員会での議論は、これらの課題を踏まえ、遺伝子組換え研究の規制をどのように見直すべきかという重要な議論の始まりと言えるでしょう。

特に、安全性評価の基準については、従来の基準が最新の技術に対応できているのか、見直しの必要性があるのか、議論が活発に行われています。遺伝子編集技術など、従来の技術とは異なるリスク評価が必要な技術が登場していることを考えると、科学的な知見に基づいた新たな基準の策定が求められます。

また、情報公開については、国民への情報提供の透明性を確保しつつ、研究開発を阻害しない適切な仕組みの構築が重要です。遺伝子組換え技術に関する情報は、国民の不安や懸念を払拭し、理解を深める上で欠かせません。

今回の会議では、これらの課題に対する具体的な解決策は示されませんでしたが、今後の議論の指針となる重要な意見交換が行われました。文部科学省は、関係団体や専門家との意見交換を継続し、科学的根拠に基づいた適切な規制を検討していくとのことです。

今後、遺伝子組換え研究の規制見直しに向けて、様々な立場からの意見が交わされ、より深い議論が展開されることが期待されます。社会全体の合意形成を図りながら、遺伝子組換え技術の安全な利用と研究開発の促進を両立させるための道筋が示されることを期待しています。