新たな観光インフラ「Limeラクモ」
2025年11月10日から、石垣島でLimeが新たに提供する電動シートボード「Limeラクモ」のサービスが始まります。この電動モビリティは、観光客や地域住民の移動手段を便利にすることを目的に設計されており、現在、ユーグレナ離島ターミナルやゆらてぃく市場、ピータイムやえやま店など、約30か所にポートを設置し、130台の「Limeラクモ」を配備しています。年内には50か所にポートを増設し、200台の配備を予定しています。
「Limeラクモ」は、2025年に閉幕した大阪・関西万博で使用された車両を再活用したもので、持続可能な交通環境の整備を視野に入れています。これにより、Limeのサービスエリアは東京都16区や横浜市、那覇市に続き、石垣島へと広がりを見せています。
石垣島の観光需要と移動課題
石垣島では観光客の訪問が年々増加しており、2025年9月には137,874人が訪れました。一方で、観光客の現地移動手段には課題が残っており、多くはレンタカーや観光バスを利用しています。自動車を運転できない観光客や、運転手不足、高齢化による交通事業の懸念が浮き彫りです。特に、島内には約250台のタクシーしかなく、配車が困難な状況が続いています。この背景から、「Limeラクモ」は観光客の移動手段だけでなく、地域交通の補完という新たな役割を期待されています。
自宅から目的地までの「ラストワンマイル」を支援
座って乗れる「Limeラクモ」により、観光客と地域住民は公共交通機関がカバーできない自宅や宿泊施設から目的地までの移動を支援されます。これにより、地域の回遊性や利便性が向上し、観光経済の活性化も期待されます。国際的な電動シェアリングサービスであるLimeが、中国や北米などの成功事例をもとに、地域に根ざした事業運営を通じて石垣島の観光インフラが進化することを目指しています。
地域との連携と安全対策
Limeは、サービス開始に向けて地域関係者との連携を深め、安全啓発活動も実施してきました。石垣島まつりでは八重山警察署の協力のもと、安全試乗会を実施し、交通ルールや安全利用についての啓発を行いました。これにより、地域住民との協力関係が構築され、安全で快適な移動手段が提供される環境が整えられました。
JALとの連携で新たな機会を提供
また、Limeは日本航空(JAL)と提携し、同社のマイレージバンクを通じてLimeの利用者がマイルを貯める新たなサービスも展開します。これにより、観光客は移動しながらポイントを貯めることができ、Limeの利用価値がさらに向上します。
結び
「Limeラクモ」は、石垣島の魅力を引き立て、持続可能な観光を支える新しい移動手段としての役割を果たしていきます。これにより、観光客と地域住民の双方にとって、より快適で便利な移動体験を提供し、地域経済の活性化を支援することが期待されます。観光需要の高まりと地域交通の課題を前向きに捉え、Limeの取り組みは今後も続いていくでしょう。