サグリ株式会社がウクライナのGrain AllianceとMOUを締結
兵庫県丹波市に本社を置くサグリ株式会社が、ウクライナの大手農業企業であるGrain Allianceと覚書(MOU)を結びました。この連携は、ウクライナにおける脱炭素型農業の促進と持続可能な農業生産の実現を目的としています。現代の農業は、単に食料を生産するのみならず、環境保護の面でも重要な役割を果たす必要があるため、この取り組みは国際的な食料安全保障と気候変動対策に寄与する大きな一歩となります。
MOU締結の背景
ウクライナは世界有数の穀倉地帯であり、その農業の復興は国家の経済にとって極めて重要です。サグリは、現在、日本の経済産業省の支援のもと、国連工業開発機関(UNIDO)が実施する「日本企業からの技術移転を通じた新事業創造によるウクライナのグリーン産業復興プロジェクト」の一環としてこのMOUの締結に至りました。
MOUの主な内容
本MOUでは、以下のような分野での協力が定められています。
炭素価値創出プログラム
約57,000ヘクタールの農地を管理するGrain Allianceは、土壌に存在する有機炭素の量を estim 和し、これをもとに炭素除去量を算定する取り組みを行います。これにより、国際基準に基づいた炭素価値の創出が期待されます。
デジタルMRVの構築
サグリは自社開発のデジタルMRVプラットフォーム「SagriVision」を活用し、衛星データとAI技術を駆使して土壌、生育状況、気候の影響を可視化することで、高い透明性を持つ測定・報告・検証体制の構築を目指します。この取り組みにより、農業の環境影響が浮き彫りになり、持続可能な運営が実現されます。
将来の市場展開
両社は、ウクライナでの活動を通じてデータの精度や運用性を検証し、商用化および地域への展開に向けた戦略を練っていきます。
サグリの未来展望
このMOUの締結は、ウクライナ農業におけるカーボンファーミングとデジタルMRV技術の確立に繋がります。農家の収益性向上と環境の保護を両立させることが期待される中、サグリはUNIDOの支援を受けながら、さらなる技術移転と持続可能な農業の発展に取り組んでいきます。
Grain Allianceの概要
Grain Allianceは、ウクライナのキーウ州やポルタヴァ州などで、約57,000ヘクタールの農地を管理し、穀物生産や乾燥・保管施設の運営を行っています。そのスケールと多様性は、ウクライナの農業にとって欠かせない存在となっています。
サグリ株式会社について
サグリ株式会社は、2018年に設立された岐阜大学発の企業で、「人類と地球の共存を実現する」というビジョンを掲げています。AIを駆使した衛星データ解析技術を基に、持続可能な農業と地球環境問題の解決に取り組んでいます。自社のサービスには、耕作放棄地を見つけるアプリや農地のカーボントレーサビリティーを支援するデジタルプロダクトが含まれています。
2023年には農林水産省及び経済産業省からの補助金を受けて、持続可能な技術の開発にさらなる励みを加えています。今後も様々なプロジェクトに携わり、より良い農業未来をつくるための挑戦を続けていくことでしょう。