東京都立飛鳥高校でのメンタルヘルスワークショップの取り組み
東京都立飛鳥高校(定時制)は、ストレスケア東京上野駅前クリニックとの連携により、特別支援教育の一環としてメンタルヘルスワークショップを実施しました。この学校は、特に多様な国籍を持つ生徒の存在が特徴的で、文化や言語の違いがもたらす課題に取り組む重要な機会となりました。
ワークショップ実施の背景
多文化共生の環境である飛鳥高校では、教師やスクールカウンセラーが生徒に対するヒアリングを重ねた結果、言語の壁や文化の違いが生徒同士の交流を妨げる要因となっていることが明らかとなりました。また、相談をためらいがちな生徒の存在も浮き彫りになり、メンタルヘルスに対するニーズの把握が急務であることが認識されました。
無記名アンケートの結果、コミュニケーションやメンタルヘルスに課題を感じる生徒と、そうでない生徒が二分されていることも示されました。この結果を踏まえ、ワークショップでは全ての生徒が参加しやすい形式を模索しました。
ワークショップづくりの工夫
ワークショップでは、以下のようなポイントを重視して構成しました。
- - リアルな出来事を扱う:生徒自身の経験に直結する場面を設定し、自分ごとにできる内容にする。
- - 交流を促すアクティビティ:互いの長所を学び合うような活動を取り入れる。
- - 言語の壁を越える工夫:言葉に依存せず自己表現できるよう念頭に置く。
ワークショップの内容
1. アイスブレイク
言葉を使わない伝言ゲームを取り入れ、参加者同士が関わりを持つきっかけを作りました。ゲームでは、1人が思い描いた内容を順番に伝えていく形式で、最後にどれだけの人がその内容を正確に理解できたかを競いました。この過程では、言葉が伝わるだけでなく、相手の気持ちや視点を考える重要性を学びました。
2. ストレス対処法の探求
次のセッションでは、ストレスの対処法について議論を深めました。「友達から深刻な相談をされた場合の対処」をテーマにブレーンストーミングを行い、多様な対処法を共有しました。オンラインホワイトボードを活用して、母国語での表現を翻訳し、全員が理解できる状態で進めることで、言語の壁を越えたコミュニケーションが生まれました。ユニークなアイデアも数多く出て、参加者たちの理解が深まった瞬間でした。
3. 重要な人に頼ること
最後に、支え合うことの大切さを伝え、悩みを抱え込まないように促しました。また、夏休み中に相談できる行政の窓口を配布し、必要な支援にアクセスできるように情報提供を行いました。
夏休みはメンタルヘルスの重要な時期
このワークショップは、2学期のスタートに向けて不安を軽減するための一環として実施され、今後も継続される予定です。また、合同会社プシケメンタルスクールは、夏休みの終盤にも不安を軽減するため、8月28日に無料オンラインイベントを開催しました。
イベントページはこちら
合同会社プシケメンタルスクールについて
「心の免疫力を上げる!」をミッションに、臨床心理士や公認心理師が「面白くてためになる」メンタルヘルスに特化したワークショップを子どもや若者に提供しています。2020年度には東京都主催のビジネスコンテスト「TOKYO STARTUP GATEWAY」でレジリエンス賞を受賞しました。
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