岡山大学が新型コロナ後遺症課題に挑む臨床研究を開始
岡山大学病院 総合内科・総合診療科では、新型コロナウイルス感染後に生じる倦怠感(全身のだるさ)に関する臨床研究を開始しました。この研究は2024年12月から行われ、2026年9月まで患者の募集が続く予定です。
この研究の目的は、コロナ後遺症の中で最も多くの人が苦しんでいる症状である倦怠感に対する有効な治療法を見つけることです。研究は、18歳以上で、過去1か月から半年以内にCOVID-19と診断された人が対象となります。参加者は、薬剤(補中益気湯またはプラセボ)を1日2〜3回、6週間にわたり服用し、服用開始から70日目には再度来院して頂き、経過観察を行います。
研究の背景と意義
新型コロナウイルス蔓延後、特に倦怠感を訴える患者が多く存在し、その対処法を確立することが急務とされています。岡山大学では、感染症が5類に移行してから1年半が経過し、感染者の数は減少していますが、後遺症の一環で倦怠感が続く事例が一定数あることに注目しています。
徳増一樹准教授は、「倦怠感で日常生活に支障を来す患者さんが多くいる中、効果的な治療法を提供することが医療貢献につながると信じています」と述べています。一方、大塚文男教授も、「新型コロナの後遺症に苦しむ人々に対して、研究成果を通じて貢献できることを期待しています」と語っています。
研究実施の詳細
本研究は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の支援のもと行われます。参加者は、服用終了日および70日後に来院し、各種検査を受けその結果によって薬剤の有効性を観察します。
この臨床研究によって効果が確認されれば、新型コロナウイルス後遺症に対する科学的根拠のある治療法が確立されることが期待されています。これは、同様の症状で悩む人々にとって大きな救いとなるかもしれません。
研究の詳細は、岡山大学の公式ウェブサイトにて公開されており、関心のある方はぜひ確認してみてください。
まとめ
岡山大学では、新型コロナウイルス後遺症を持つ患者に向けた新たな臨床研究が始まることで、将来的にはより多くの患者が治療の恩恵を受けられることが期待されています。今後の進展に注目です。