NTT-ATが大阪・関西万博に参加
2025年に大阪で開催される日本国際博覧会、通称「大阪・関西万博」では、NTTアドバンステクノロジー株式会社(以下、NTT-AT)が特異な技術を駆使して展示に貢献しています。特に注目すべきは、民間パビリオン「BLUE OCEAN DOME(ブルーオーシャン・ドーム)」における超撥水材料「HIREC®(ハイレック)」の使用です。この技術は、来館者に視覚的な驚きを与えるだけでなく、環境保護への意識を高める目的も持っています。
BLUE OCEAN DOMEとは?
「BLUE OCEAN DOME」は、2019年のG20大阪サミットの一環として発表された「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」をテーマにしています。このビジョンは、海洋プラスチックによる汚染を2050年までにゼロにすることを目指しており、来館者はこのパビリオンを通じて、海の持続可能な利用や生態系の保護について学ぶことができます。パビリオン自体は、環境保護の重要性を楽しく学べる場としてデザインされています。
HIRECによる庭園の水の饗宴
「HIREC」は、大規模かつ緻密な水の演出に重要な役割を果たします。本技術を用いることで、つい目を奪われるような神秘的な水の動きを生み出すことが可能となります。白い盤面の上に乗せられた水は、小さな塊として転がり、団結して流れることで、まるで生き物のように動きます。水の運動は、自然の法則に従いつつ、見る人に驚きと楽しさを提供します。
この技術の特異性は、初期接触角が150°を超える圧倒的な撥水性にあります。水は球状になり、わずかな傾きで転がり落ち、まるで魔法のような視覚体験を生み出します。HIRECは、芸術や意匠の分野だけでなく、アンテナや高所構造物の防雪・防氷にも役立つため、その用途は広がる一方です。
芸術的な表現を実現するHIREC
「HIREC」を用いた展示物は、視覚経験を新たなレベルへと引き上げます。水がその性質によって形を変え、流れ、まさにダイナミックなアートの一部として機能します。また今回のBLUE OCEAN DOMEの展示は、日本デザインセンターによる構想とディレクションのもと、nomenaによるアートピース制作が施されています。
多岐にわたる用途
「HIREC」の魅力は、単なる撥水技術に留まりません。この材料は、芸術やデザインの分野において斬新なアイデアを具体化する手助けをするだけでなく、他領域でも活用されています。例えば、建物外装や鉄道など、屋外設備のコーティングでも大きな威力を発揮し、安全性や維持管理の面でも非常に重要な役割を果たしています。
結論
「BLUE OCEAN DOME」と「HIREC」は、ただの技術の応用にとどまらず、未来に向けた環境保護の取り組みを視覚化する場ともなっています。大阪・関西万博におけるNTT-ATの参加は、技術の新しい可能性を探ると同時に、持続可能な未来への一歩となることでしょう。