新電元工業、低ノイズSiCパワーモジュール「MG074」サンプル出荷開始
新電元工業株式会社は、民生・産業機器向けにSiCパワーモジュール「MG074」のサンプル出荷を開始したと発表しました。
近年、省エネ化の観点から、民生・産業機器市場では、高効率・低損失なパワーデバイスの需要が高まっています。従来のSiデバイスに比べて高速動作が可能なSiCデバイスへの置き換えが進められていますが、高速動作時に発生するサージ電圧がノイズやリンギングの原因となり、課題となっていました。
新電元工業が開発した「MG074」は、これらの課題解決を目指したSiCパワーモジュールです。独自のパッケージ技術を採用することで、搭載されているSiC MOSFETの性能を最大限に引き出し、低ノイズ化を実現しています。
独自のパッケージ技術で低ノイズ化を実現
「MG074」は、内部構造を左右対称レイアウトにすることで、電流経路で発生するサージ電圧の差を最小限に抑制しています。さらに、モジュール内部の端子とパターンの配置を工夫することで、ディスクリート製品と比較して浮遊インダクタンスを66%低減することに成功しました。これにより、機器の低ノイズ化に大きく貢献します。
熱干渉抑制による高信頼性化
また、「MG074」は、半導体素子を分散配置することで、熱干渉性を低減し、機器の高性能化・高信頼性化を実現しています。
汎用性の高い用途
「MG074」は、民生機器のブリッジレスPFC回路や産業機器のフルブリッジコンバータなど、幅広い用途に利用可能です。
新電元工業の取り組み
新電元工業は、半導体技術、回路技術、実装技術を融合させた世界でも稀なメーカーとして、持続可能な社会の実現に向けて、革新的なパワーエレクトロニクス製品の開発に積極的に取り組んでいます。
「MG074」の主な特長
1.
低ノイズ性能
- 独自のパッケージ技術により浮遊インダクタンスを低減し、ターンオン波形・ターンオフ波形の改善によるノイズ抑制を実現
- 端子とパターンの配置を工夫することで、ディスクリート製品と比較して浮遊インダクタンスを66%低減
- 内部構造を左右対称レイアウトにすることで、電流経路で発生するサージ電圧の差を最小限に抑制
2.
熱干渉の抑制
- 発熱源である半導体素子を分散配置することで、熱の干渉による温度上昇を抑制
発売時期
「MG074」の発売時期は2025年冬を予定しています。