鹿島と「かたばみ」が木材利用促進協定を締結
鹿島(社長:天野裕正)とそのグループ会社「かたばみ」(社長:髙野博信)は、2023年12月24日、農林水産省と「建築物木材利用促進協定」を締結しました。この協定は、脱炭素社会の実現に向けて建築物における木材使用を促進することを目的としています。
環境保全と経済の両立
鹿島グループは1990年代から木造技術の向上に努め、多くの木造建築を手掛けています。また、国内において約5,500ヘクタールの山林を所有し、かたばみが100年以上にわたりその管理を行っています。これらの実績を背景に、鹿島は2024年5月に「鹿島環境ビジョン2050plus」を策定し、持続可能な社会の実現に向けた具体的な施策を打ち出しました。
このビジョンでは、木造建築の拡大や持続可能な社有林経営が盛り込まれており、環境保全と経済活動の融合を目指しています。特に、林業の持続的発展や自然再生、木材利用の促進を通じて、山林の適切な維持と伐採後の資源活用を一体的に考える重要性が強調されています。これは「植林・育成・伐採・再植林」という循環を利用し、木材供給のサイクルを確立する取り組みでもあります。
協定締結の背景
協定締結のお披露目式には、林野庁の青山長官や農林水産省の滝波副大臣が出席し、鹿島の市橋専務やかたばみの髙野社長とともにこの重要な瞬間を祝いました。この協定を通じて、農林水産省との連携を深め、高度の木材技術の開発や国産材の積極的な利用を進めていく決意を表明しました。
具体的な取組内容として、木造建築提案力の向上や木材に関連する技術開発、社有施設への国産材の利用促進、ICT技術を活用した山林管理方法の見直しが挙げられています。また、環境認証の取得や伐採計画の科学的評価、生態系への配慮と自然災害への対応を強化することが約束されています。
環境と経済の調和を目指して
鹿島とかたばみは、これらの取り組みを通じて、今後も積極的に林業の持続性や自然再興を推進し、建築業界での木材利用を広げることを目指しています。環境保全と経済の両立を可能にする持続可能な社会の実現が、今後の大きな課題となります。
引き続き、地域の森林資源の利用と保護、木材の地域経済への貢献が期待されており、それが未来の社会を支える基盤となるでしょう。
参考リンク
鹿島グループの森林
鹿島環境ビジョン2050plus
新木造技術