韮崎大村美術館企画展「澤岡泰子版画展MOKURITO」の魅力
韮崎市に位置する韮崎大村美術館では、2025年11月29日から2026年3月1日まで、版画家・澤岡泰子さんの個展「MOKURITO-木のリトグラフ-の世界」が開催されています。この展覧会は、澤岡さんが40年以上にわたり追求してきた独自の版画技術「MOKURITO」を中心に、彼女の創作過程や魅力的な作品を紹介しています。
澤岡泰子さんは、北海道出身で女子美術大学で工業デザインを学んだ後、日立製作所や松下電器産業でプロダクトデザイナーとして数々のヒット製品を手がけてきました。プロダクトデザインを経て、金属造形と版画制作に没頭し、国内外で精力的に作品を発表してきた彼女の経歴は非常に豊かです。
特に1985年には、アメリカ・ニューメキシコ工科大学にて金属造形のクラスを指導し、2003年にはポーランドのワルシャワで木のリトグラフによる個展を開催。さらに、その後もイタリアやメキシコ、中国など世界各地で作品を発表し、国際的にも高く評価され続けています。
「MOKURITO」は、従来のリトグラフ技法と異なり、木版を使用することに特徴があります。澤岡さん自身が名付けたこの造語は、石版や金属板を使った版画技法とは一線を画しており、青を基調とした柔らかく幻想的な作品が多いのが特徴です。この独自のアプローチによって、作品は木の素材感を活かした表現力豊かなものとなっており、観覧者に深い視覚的体験を提供しています。
本展では、澤岡さんの創作の軌跡を辿りながら、彼女が生み出す木のリトグラフの独自性とその魅力を堪能することができるでしょう。これにより、版画を通じて人々と交わり、アートの楽しさや奥深さを伝える彼女の姿勢が感じられます。
開催概要
- - 開催期間: 2025年11月29日(土)~2026年3月1日(日)
- - 開館時間: 10:00~17:00(入館は16:30まで)
- - 休館日: 水曜日
(2026年2月11日(水・祝)は開館、翌日休館)
(年末年始休館:12月29日(月)~1月1日(木))
- - 入館料: 一般500円/小・中・高校生200円
- - お問い合わせ:
韮崎大村美術館
TEL: 0551-23-7775
公式サイトはこちら
韮崎市は、ノーベル生理学・医学賞受賞者の大村智博士が生まれ育った場所でもあり、美術館には彼が蒐集した女性美術作家の作品が多数展示されています。様々なジャンルのアートを楽しめるこの美術館は、地域の文化的な魅力を発信している重要なスポットといえるでしょう。2025年には、新たに「大村智記念館」がオープンし、さらに多様なアート作品を楽しむことができるようになります。ぜひ、韮崎大村美術館を訪れて、澤岡泰子さんの作品の素晴らしさに触れてみてください。