AI時代に求められるデータガバナンスの重要性
近年、AIエージェントが業務の現場に浸透しつつありますが、それに伴いデータガバナンスおよびリスク管理の重要性がますます高まっています。株式会社KiteRaが実施した調査によると、20歳以上のビジネスパーソン11,075名のうち、約3割が勤務先でAIエージェントを利用または検証中であると回答しています。この結果から、AIエージェントの普及は進んでいるものの、それに伴う情報管理やリスクマネジメントには多くの課題が残されていることが示唆されます。
調査の背景と目的
KiteRaは企業向けにGRC(ガバナンス・リスク・コンプライアンス)を支えるプラットフォームを提供していますが、AIエージェントの導入が進む中でのデータの信頼性やガバナンスの実態を把握するために、今回の調査を実施しました。特に、AIが参照する情報の管理状況や「シャドーIT」や「シャドーAI」といった未管理データに焦点を当てています。
調査結果の概要
1.
AIエージェントの利用状況: 約31%がAIエージェントを「利用/検証中」と回答しましたが、多くの企業では全社的な利用が進んでいないことが分かりました。
2.
データガバナンスの方針不足: 全社的なデータガバナンスの方針やガイドラインが定められていない企業が約3割と、多くの企業が方向性を見失っていることが明らかとなりました。
3.
社内規程の整備状況: AIエージェント関連の社内規程や手順書が最新の状態で整備されている企業は34.4%にとどまり、多くが古い情報を参照している問題があります。
4.
シャドーIT・AIの問題: 情報システム部門が把握していない未管理データ、いわゆる「シャドーデータ」が広がっており、44.9%が外部サービスやクラウドツールの利用に関する未管理があると回答しました。
5.
リスクの現実: 古い社内ルールや不明確なデータに基づきAIエージェントが業務を遂行した結果、約13.4%が規程や法令に違反しそうになった、8.0%が実際に会社に損害が発生したと報告しています。
課題と提案
これらの結果を踏まえ、KiteRaはデータガバナンスとリスク管理の重要性を再認識し、以下の点を提案します。
- - ガバナンスの統合的アプローチ: AIエージェントを活用する際、AIの管理だけでなく、その判断の根拠となる情報の管理も重要です。
- - 社内規程の整備と見直し: 社内規程や手順書を見直し、最新の情報を基に整備することで、リスクを回避する体制を整える視点が求められます。
- - 横断的な情報管理プラットフォームの構築: 社内データや監査記録を一元管理するプラットフォームが必要とされていることも調査結果から見て取れます。
- - 経営層の関与: データガバナンスの方針策定には経営層の関与が目立たなかったため、上層部が率先してガバナンス体制を整える必要があります。
今後の展望
KiteRaは今後、2026年2月より「KiteRa GRCプラットフォーム構想」を本格始動します。このプラットフォームにおいては、正確なルール文書と、その遵守状況をクラウド上で一元管理し、企業のGRCを支えていく考えです。AIの活用は今後も増大すると予測されるため、そのための基盤を確立することが、企業の競争力の源泉となるでしょう。
AIの活用が進む現代、信頼できるデータガバナンスの構築は急務です。企業が安心してAIを活用できる環境を整えるためにも、まずは社内外のデータや規程を整え、その適正さを維持していく努力が不可欠です。