緑内障と事故の関係
2025-09-25 15:41:23

緑内障の早期発見が交通事故を減少させる理由とは?

緑内障の早期発見が交通事故を減少させる理由とは?



近年、視野障害が交通事故に及ぼす影響が注目されています。その中でも、緑内障は比較的自覚症状が乏しく、進行するまで気づかれにくい疾患です。本記事では、順天堂大学を中心に行われた共同研究の成果を通じて、視野障害の早期発見が交通事故予防にどのように寄与するかを探っていきます。

研究の背景と目的



日本では、40歳以上の約5%が緑内障を抱えており、70歳以上ではその比率がさらに高くなります。この疾患は、視力を保ちながら視野が徐々に狭くなっていくため、患者は自身の状態に気付かずに運転を続けてしまうことがあります。そのため、緑内障の早期発見が交通事故を未然に防ぐために重要だとされています。

この研究は、特にタクシードライバーを対象に、視野チェックシートや問診を通じて視野異常と交通事故の関係性を調査しました。タクシードライバーという職業は、長時間の運転が求められるため、視野異常が交通事故につながるリスクが高まると考えられています。

研究方法



対象者は、首都圏に勤務する1,227名のタクシードライバーです。「クロックチャート」という視野チェックシートを用いて視野異常の評価を行い、同時に「ビックリ箱現象」の問診も実施しました。過去5年間での交通事故経験との関連性を解析し、視野チェックの有用性を検討しました。

この研究の結果、対象者の約15%が「クロックチャート」による視野異常の所見を有し、約40%が「ビックリ箱現象」を抱えていることが判明しました。また、驚くことに、これらの群ではそれぞれ交通事故経験が有意に増加していることがわかりました。具体的には、視野異常とビックリ箱現象が確認された群は、どちらもない群に比べ、交通事故に遭うリスクが1.22倍高かったのです。

早期発見の重要性



この研究の成果は、視野障害に適したセルフチェックツールの重要性を強調しています。特に「クロックチャート」は、自宅で簡単に視野チェックができるため、多くの人に利用してもらえる可能性があります。研究に参加したタクシードライバーの中で、視野異常が確認された326名中、約20%が眼科で新たに緑内障と診断されるという結果も出ており、早期発見のチャンスを引き出すことができた証拠です。

今後の展望



研究の成果を踏まえ、今後は職業ドライバーの安全運転のための視野チェック体制が必要とされています。健康診断に視力検査のみならず視野検査を含めることで、ドライバーが視野障害に気づきやすくする手立てが求められています。今後のフォローアップや新しい介入研究を通じて、「クロックチャート」などのセルフチェックツールの実効性を一層高め、交通事故の減少に貢献することが期待されます。

まとめ



視野障害は特に運転中に大きなリスクをもたらす可能性がありますが、早期の発見と管理が事故を防ぐカギとなります。研究によって明らかになった視野チェックに関する知見を利用し、より安全な運転環境を作るための努力が、今後さらに進められることが望まれます。

原著論文



本研究はScientific Reports誌にて2025年8月26日に公開されています。タイトルは「The association between self-checked visual field impairment and motor vehicle accidents among Japanese taxi drivers」です。具体的な研究成果を知るためには、原著論文を参照することをお勧めします。


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会社情報

会社名
学校法人 順天堂
住所
東京都文京区本郷2-1-1
電話番号
03-3813-3111

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