新しい花粉症治療
2025-02-21 16:22:48

花粉症対策に向けた新たな挑戦、アレルギーワクチンの臨床試験開始

株式会社ファンペップ、アレルギーワクチン臨床試験を発表



大阪府茨木市に本社を置く株式会社ファンペップが、今後の花粉症治療に革新をもたらす可能性があるアレルギーワクチンの第Ⅰ相臨床試験を実施することを発表しました。この新しい治療法は、抗体誘導ペプチドFPP004Xという製品に基づき、花粉症の症状を緩和することを目指しています。

臨床試験の詳細



ファンペップは、2025年2月10日に独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)への治験計画届の提出を完了。PMDAによる調査が30日以内に終了次第、臨床試験がスタートする予定です。この臨床試験は、花粉症患者の生活の質を向上させることを期待されています。

花粉症の現状



花粉症は、日本国内において非常に多くの人々が悩まされている疾患です。代表的な症状にはくしゃみや鼻水、目のかゆみなどがあり、2019年の全国疫学調査によると、国内での花粉症有病率は42.5%、特にスギ花粉症は38.8%に上昇しています。これは、10年前と比較して10%以上の増加を示しており、深刻な社会問題となっています。政府もこの問題を重視し、対策を強化しています。

新しい治療選択肢



アレルギーワクチンFPP004Xは、体内でIgE抗体を誘導することでアレルギー反応を抑えることが期待されています。IgE抗体は、体内に侵入した異物に結合してアレルギーを引き起こす働きを持っており、これを抑制することで症状を緩和します。このワクチンの最大の特徴は、免疫細胞に抗IgE抗体を一定期間生成させることで、持続的な効果を発揮できる点です。

治療は花粉飛散が始まる前に投与され、シーズンを通じて患者の症状を軽減することが見込まれています。これにより、患者にとってより便益の高い治療法となることが期待されています。

企業の戦略



さらに、FPP004Xに関しては、2024年3月に塩野義製薬株式会社とのオプション契約が締結されました。この契約により、塩野義製薬は全世界における全疾患の研究開発及び商業化権を持つことになります。このパートナーシップは、ファンペップの製品が市場に登場する大きな一歩となりそうです。

花粉症治療における新しい風が吹く中、株式会社ファンペップのアレルギーワクチンがどのような結果をもたらすのか、今後の進展に期待がかかります。


画像1

会社情報

会社名
株式会社ファンペップ
住所
東京都中央区日本橋本町3-11-5日本橋ライフサイエンスビルディング2 503号室
電話番号
03-5315-4200

トピックス(科学)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。