農業・技術の未来を支える独立行政法人評価制度の重要性

2023年7月25日、総務省で行われた第66回独立行政法人評価制度委員会の評価部会では、さまざまな法人の中・長期目標の変更が議論されました。特に、農業やエネルギー分野に関連する法人においては、それぞれの環境の変化に応じた新たな取り組みが求められています。

農業の持続的発展に向けた新たな試み

近年、基幹的な農業従事者が減少すると見込まれており、今後20年間でその数が約4分の1にもなるとのことです。このような状況下、従来の生産方式ではなく、革新的な生産方法が必要とされています。ここで注目されるのが、農業技術革新を支えるための「スマート農業技術」です。農林水産省が推進するこの技術は、農業の持続的発展と食料供給を両立させることを目指し、その支援や普及に力を入れる制度が整備されました。

また、農業技術の開発を支援する法律も成立し、農研機構が重要な役割を果たすことが期待されています。農研機構は、現在の農業生産システムにおける技術革新を一層進め、農業現場での効率化を図るため、研究開発施設の供用や専門家の派遣を通じて、実証実験の場を提供する位置づけにあります。

エネルギー政策の動向とその影響

一方で経済産業省所管の「国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）」も目標を見直しました。GX（グリーントランスフォーメーション）に関連する法制度の進展を受け、NEDOはそのビジョンをより具体化する方針です。

1点目は、GXに関連する最新動向を中長期目標へ追加し、2点目は、低炭素水素の供給・利用を促進する助成金交付業務の追加です。これにより、NEDOは実用化に向けた一層の支援を行っていくこととなります。また、研究開発セキュリティに対しても明確な取り組みが求められており、これらの業務が適切に実施されることが期待されています。

各法人の役割と連携の重要性

今回の評価部会では、農研機構、NEDO、エネルギー・金属鉱物資源機構（JOGMEC）、鉄道建設・運輸施設整備支援機構（鉄運機構）など、農業と技術革新に関連する複数の法人が議論の中心となりました。それぞれの法人に課せられた役割は異なりますが、いずれも持続可能な社会の実現に向け、協力し合いながら取り組むべきです。

特に、農業分野では、スマート農業技術を用いた新たな生産方式の確立が課題とされており、その成功には多様な人材の活用や、各法人の知見を活かすことが必要です。これまでの伝統的なアプローチから脱却し、技術の革新を促進することで、将来に渡って農業の持続的発展を可能にするでしょう。

結論

総務省の評価委員会の議論からは、農業技術やエネルギー関連政策の重要性が浮き彫りとなりました。各法人が新たに掲げた目標を実現するためには、政策が具体的な成果として結実し、持続可能な社会を築くための手段として機能することが求められます。これからの社会において、農業技術の革新は不可欠であり、その推進を担う機関としての役割が一層求められることでしょう。