アイルランドの貿易使節団が日本へ来航 - 関係深化に向けた取り組みを強化
アイルランドの貿易使節団が日本を訪問
2019年10月15日、アイルランドのビジネス・企業・イノベーション大臣であるヘザー・ハンフリーズ氏が、日本への貿易使節団の活動を開始しました。今回の使節団は、デジタル、フィンテック、工業、医療機器、新興テクノロジーなど多岐にわたる業界から50社のアイルランド企業で構成されています。これらの企業は、日本のビジネス環境において競争力を持つ製品やサービスを展示し、関係企業との提携を促進するための活動を行います。
アイルランド政府商務庁が主導するこの使節団の来日背景には、英国のEU離脱や貿易摩擦による経済の不透明さが影響しています。滞在中、使節団はアイルランドと日本の関係をさらに強化し、日本をアジア太平洋地域への重要な出口と位置づけ、貿易の拡大を目指します。
使節団の活動に際し、特に注目されるのは2019年2月に発効した日本・EU経済連携協定(EPA)です。この協定を通じて、日本へのアイルランド製品の輸出がさらに増加することが期待されています。現在、EUから日本への年間輸出は甚大で、財の輸出額は580億ユーロ、サービスの輸出も280億ユーロを超えています。
ビジネス・企業・イノベーション大臣のハンフリーズ氏は、「英国のEU離脱と日本・EU経済連携協定の締結は、アイルランドと日本の貿易と投資の関係を拡大強化する絶好の機会である」と述べ、市場の多様化がアイルランドにとって重要であると強調しました。
近年、アイルランド政府商務庁が支援する企業の日本市場への輸出は急成長しており、過去4年間で73%増加し、輸出額は2億1,600万ユーロに達しています。この成長はアイルランド企業が日本市場に対して積極的に活動していることを示しています。
滞在中、ハンフリーズ大臣はデジタルテクノロジーやライフサイエンス、金融サービスなどをテーマにした多様なイベントや会議にも参加します。また、日本経団連との連携が進み、日本企業とのパートナーシップを積極的に結ぶ予定です。
アイルランド企業の中で注目すべきはDecawaveという半導体会社です。Decawaveは次世代UWBチップを日本向けに投入し、施設内の超精細位置情報技術を用いた新しい製品開発を進めています。この技術は、Apple社も採用するなど、国内市場での影響力を高めています。
さらに、アイルランドのAalto Bio Reagents社は、日本のベリタス社との間で初の販売契約を締結し、体外診断用医薬品の市場でも注目されています。Aalto Bio ReagentsのCEOは、日本市場への進出を非常に嬉しく思うと語っています。
これらの活動は、アイルランドの企業が持つ技術と革新が如何に日本市場で受け入れられるかを示す重要な指標です。アイルランドは活発なスタートアップエコシステムと強力なサプライチェーンを持ち、今後さらなる成長が期待されています。来日した使節団は、アイルランドと日本の貿易関係を深め、既存のパートナーシップを強化する重要な役割を果たすことになるでしょう。
日本とアイルランドの貿易関係に関する詳細な情報やアイルランド政府商務庁の活動については公式ウェブサイトをチェックしてください。
会社情報
- 会社名
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アイルランド政府商務庁
- 住所
- East Point Business Park, The Plaza, Dublin 3, D03 E5R6, Ireland
- 電話番号
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