個人投資家の新戦略
2022-03-22 16:00:08
個人投資家における最良価格取引の新時代とその実現の道筋
個人投資家が株式投資において重視するポイントは、やはり取引価格である。最近の調査によると、70%以上の個人投資家が「手数料を含めた取引価格」を最も重視していることが明らかになった。そして、その背景には、日本市場における取引の透明性や価格優先の必要性が広がっていることが挙げられる。特に、近年ではPTS(私設取引システム)の利用が注目されており、全体の約10%の株式がこのシステムを通じて取引されている。PTSの特長は、東京証券取引所よりも小さなスプレッドで取引が可能であり、個人投資家にとって有利な価格での取引が期待できる点だ。この動きを支えるのがSOR(スマート・オーダー・ルーティング)というシステムである。これは複数の取引所から最良の価格を選択し、迅速かつ効率的に取引を実行する仕組みである。昨年1月には金融庁が最良執行方針の見直しを発表し、個人投資家にも「価格優先」の方針が求められるようになった。新たな法改正により、証券会社は個人投資家の注文を取引所とPTSで比較し、最も有利な価格で執行することが義務付けられた。これにより、個人投資家は自らの取引がより透明で合理的なものになることが期待されている。だが、現時点ではPTSへの接続が未整備な証券会社が多く、個人投資家はその恩恵を充分に享受できていない状況だ。また、SORや最良執行方針に関する認知度も依然として低い。個人投資家が最良価格での約定を求める声は強いが、それに対する制度や仕組みの理解が不足しているのが現実である。ジャパンネクスト証券が実施した調査では、約半数の投資家がSORを知らないという状況が浮き彫りになった。個人投資家が自らの利益を最大化するためには、こうした新しいシステムや制度の理解を深め、利用することが求められる。これからの取引環境においては、個人投資家の取引がより透明で効率的となり、サービス競争が進む中で、さらなるコスト削減や取引価格の改善が期待できるだろう。株式市場が活性化することは、すべての市場参加者にとって利益をもたらすものである。今後、投資家のニーズに応える形で、有利な取引条件が整備されていくことが望ましい。
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