約6割が年収103万円以内？日本の働き手の意識に迫る調査結果

近年、日本において「年収103万円の壁」が大きな話題となっています。この壁は、主に税制や社会保険制度に基づく扶養控除の基準額が影響しています。多くのパートやアルバイト従業員がこの基準を気にする傾向があり、収入を抑えてしまう結果に繋がっています。一方で、働き方の多様化や少子高齢化により、労働環境の柔軟性を求める声も多く上がっています。

この調査では、年収103万円の壁が実際に働き手の収入や働き方にどう影響を与えているのか、またそれを超える際の課題や意識について明らかにしました。さらに、扶養控除や社会保険料基準額の引き上げの賛否についても調査を行っています。

調査結果の概要

今年の年収が103万円以内と答えた人が全体の約6割にのぼり、全体の65%は年収103万円の壁を意識して働いていると回答しました。また、壁の引き上げについては約6割が賛成という結果も寄せられています。

年収別の分布

調査の結果、103万円以下と回答した人は175名（58%）であり、103万円から130万円の範囲に収入を持つ人は63名（21%）、130万円から150万円は15名（5%）、150万円以上は47名（16%）に達しています。このデータからは、103万円以内で働く人が依然として多いことが伺えます。

時給と月給の関係性

時給が900円未満の方の月給は主に30,000円から40,000円に集中している一方で、時給が1,200円以上になると月給80,000円以上となり、特に120,000円以上の収入を得る人が増加しています。このデータは、時給が上がることで月給も増加する傾向が強いことを示しています。

労働時間との相関

また、時給900円未満の方は労働時間が40時間未満の場合が多いですが、時給1,200円から1,500円の人では80時間以上の労働が見られることが多く、高時給層は労働時間の増加に伴って年収も上昇する結果となっています。

年収103万円の壁意識調査

年収103万円の壁を意識して働いていると答えたのは、全体の65%にのぼり、意識していないとしたのはわずか18%でした。103万円の壁を超えた経験のある方に対しては、税金や社会保険料の負担が重いと感じる人が36%に達し、ポジティブな意見は少数派でした。

引き上げについての意見

扶養控除や社会保険料基準の引き上げには、多くの人が賛成していることが分かりました。具体的には、賛成の意見が63%、反対は14%、わからないが23%という結果が出ています。これにより、働きやすさの向上に期待が寄せられている一方で、手続きの煩雑化を懸念する声もあります。

まとめ

今回の調査から、年収103万円の壁が日本の働き手にとって重要な課題であることが浮き彫りとなりました。約6割がこの壁を意識しつつ働いていること、時給が上がることで月給や労働時間も増加している傾向があること、そして引き上げに対する賛成意見の多さが調査結果として現れました。今後、働き方改革が進む中で、これらの意見や課題についてより多くの対策が検討されていくことが期待されます。