FRONTEOが開発した新たなAIシステム
株式会社FRONTEO(東京都港区)は、内閣府と連携し、技術流出リスクを高精度で可視化する「研究セキュリティ・リスクマネジメントシステム」のプロトタイプを発表しました。本システムは、同内閣府の支援下で国立健康危機管理研究機構(JIHS)から受託し、FRONTEOの独自AI技術「KIBIT」を基盤に構築されています。
研究機関における現状の課題
近年、国際的な研究活動は、技術流出や外国からの不当な影響(FOCI)の懸念が高まっています。これに対抗するため、政府は2025年12月に「研究セキュリティの確保に関する取り組みの手順書」を策定予定ですが、研究者たちは多くの情報確認作業に時間を取られ、研究活動が圧迫されています。この新たなAIシステムは、研究者の業務負担を軽減し、経済安全保障を支援することを目的としています。
システムの特長
本システムは、以下の三つの特長を持っています:
1.
圧倒的なデータ網羅性:2.8億件の論文データを取り込み、従来の商用データベースを超えた解析が可能です。医学や工学など、異なる分野間での共著関係や研究活動を包括的に把握することができます。
2.
リスクの可視化と工数削減:「1クリック分析」によって、研究者名を入力するだけで、共著者や所属などの情報を自動的に収集・解析し、リスク関連情報を提示します。これにより、検索からレポート作成までの作業時間を約90%削減することが実証されています。これにより、研究者は本来の研究活動により多くの時間を充当できるようになります。
3.
株主支配の深層分析:資金源や共同研究先企業について、株主支配の構造を分析し、外国政府の影響を検知できる機能を持っています。これにより、潜在的なリスクを視覚化することが可能となります。
成果報告シンポジウムの開催
FRONTEOは2026年1月14日に、JIHSが主催した「成果報告シンポジウム」において本システムの実証実験成果を発表しました。ここでは、内閣府や国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の関係者と共にディスカッションが行われ、本システムの実務実装に対する期待が寄せられました。
今後の展望
FRONTEOは現在のプロトタイプをもとに、システムのセキュリティを強化し、データの品質を安定化させることで実運用に向けた製品版の開発を進めています。また、機関間連携モデルの構築を目指し、中小規模の大学・研究機関にも最適なプランでリスク管理体制を提供する意向です。
終わりに
FRONTEOは、本システムを日本の研究セキュリティの標準として成長させ、経済安全保障リスク管理の能力向上へと寄与することを目指しています。AI技術は今後、より多くの研究活動の安定化と発展に寄与することでしょう。