藁作家ARKOの個展「藁、息遣い。」がSOMEWHERE TOKYOで開催
5月19日から6月4日まで、東京都渋谷区のギャラリーSOMEWHERE TOKYOでは藁作家ARKOの個展「藁、息遣い。」が開催されます。ARKOは稲藁を用いて創作を行っているアーティストで、これまでにも欧米を中心に高い評価を得てきました。彼女の作品は、昔ながらの技術や素材を現代の生活に再生させることで、消えゆく日本の風習を守り、発信しています。
この個展では、奄美泥染による染めの技術を活用した新作も出展されます。藁に新たな表現力を与えることで、作品は一層の奥行きを持ち、観る者を誘惑する作品群となっています。代表的な作品には「Composition Marcato C」や「崖の上の突風」「砂漠の火影」などがあり、それぞれが異なる素材で構成されています。
ARKOの創作への想い
ARKOが藁を使用する理由は、その素材に込められた文化的価値と、長い間日本の生活に根付いてきた伝統にあります。稲藁は米の収穫後に残る茎で、日本各地で様々な形で利用されてきました。草鞋に蓑、さらには日常の梱包材としても使用されており、誕生から1世紀近くの時間を経てもなお、私たちの生活に息づいています。しかし、現代の生活では藁はほとんど見かけなくなり、新年の飾り物程度でしか利用されていないのが現実です。
その中でARKOは、藁の新しい可能性を追求しています。従来のように編むことから離れ、一本の藁をドローイングの線として捉え、作品を構築していくスタイルは、彼女の革新的なアプローチを示しています。彼女の作品は、まるで生きているかのように季節に応じて変化し、香りを放つことで、作品に新たな命を与えます。
展示会の詳細
- - 展示名: 藁、息遣い
- - 作家: ARKO
- - 場所: SOMEWHERE TOKYO
- - 住所: 東京都渋谷区恵比寿南2-7-1
- - 期間: 5月19日(金)~6月4日(日)
- - 休廊日: 火曜日、水曜日
この個展は、藁が持つ自然の力や生命感を感じ取る貴重な機会です。経済優先の現代社会において、見落としがちな自然の摂理を再確認するためにも、多くの方々に足を運んでいただきたいと思います。そして、ARKOのアートを通じて、私たち自身も日本の文化や風習を再考するチャンスを得ることでしょう。
作品たち
W550 H950 D90 mm 藁、糸、キャンバス
W1000 H1300 D100 mm 藁、糸、キャンバス
W850 H1100 D90 mm 藁、糸、キャンバス
W450 H450 D80 mm 藁、糸、キャンバス
ARKOの作品からは、現代社会における自然や生命の重要性が強く感じられます。新たな価値観を持った藁が、今後どのように私たちの生活に影響を与えていくのか、期待が膨らみます。