ケミカルリサイクル・ジャパン、オフィスプラスチックの再資源化に挑戦

背景

近年、環境問題への意識が高まり、資源制約が顕在化する中で、循環経済の重要性が急速に増しています。日本でもこの流れに乗り、資源自律経済の確立が求められていますが、実際の取り組みには多くの課題が残されています。特に、再生材の利用拡大や地域循環システムの構築に向けた自治体間の連携強化が急務です。

その中で、経済産業省は広域的な循環システムの構築を進めていますが、再生材の安定供給を確保するためには、分別、回収、再資源化のプロセスの高度化が求められています。そこで、この度のプロジェクトにおいて、株式会社三菱総合研究所とともに、ケミカルリサイクル・ジャパンが実証事業に参加することが決まりました。

実証事業の概要

ケミカルリサイクル・ジャパン（CRJ）は、経済産業省の支援を受けて、使用済みプラスチックを再資源化するための実証事業を開始しました。このプロジェクトでは、大都市圏においてオフィスや商業施設から排出されるポストコンシューマー材料、つまり本来の使用目的を果たせなくなったプラスチックの再利用を目指します。

本実証事業の目的

本実証事業は、再生プラスチックの供給量を増加させ、資源循環システムの構築を目指すものです。具体的には、地域特性に応じた回収から再資源化までのスキームを構築し、様々な地域の関係者と協力しながら実施します。対象地域は主に首都圏を想定しており、多様な環境からの資源回収の効率化が課題となっています。

実施する内容

CRJは、使用済みプラスチックの油化ケミカルリサイクルの可能性を検証します。このプロセスでは、使用済みプラスチックを油化してケミカルリサイクル油を生産し、化学品や燃料油として再利用する方法が採用されます。この取り組みにより、プラスチックの廃棄物を貴重な資源として活用する循環型社会の実現に寄与することが期待されています。

具体的には、オフィスや商業施設などから排出されるオレフィン樹脂やPS樹脂、PET樹脂などを対象とし、それらを原材料としてケミカルリサイクルを実施。首都圏全体での循環型サプライチェーン構築を目指していきます。

今後の展望

この実証事業は2026年2月まで続く予定で、成果は経済産業省が監修のもと、報告書としてまとめられます。循環経済への移行は日本だけでなく、全世界のテーマでもあります。今回の実証事業が成功すれば、日本における資源循環のモデルケースとなり、他の地域への展開やさらなる企業の参加も期待されます。

私たちの社会が直面する環境問題を解決するために、ケミカルリサイクル・ジャパンは積極的に取り組んでいく所存です。今後の動向に注目です。