四国水族館でのアオリイカの稚イカ展示
香川県に位置する四国水族館では、2025年6月19日からアオリイカの稚イカの展示が始まります。これは昨年に続く取り組みで、アオリイカの魅力をより多くの人々に知っていただくための大切なイベントです。アオリイカの稚イカは、NPO法人黒潮実感センターと連携して行われているプロジェクトの一環として展示されます。
アオリイカの生態と特徴
アオリイカ(学名:Sepioteuthis lessoniana)は、軟体動物門に属し、最大全長は約40センチメートルに達します。日本の北海道南部から南方の沿岸や、東南アジアおよびオーストラリア北部の海域に生息しているこの生き物は、その美しい形状と独特な鰭が特徴です。特に、アオリイカの名前は、その体の周囲にある大型の鰭が「泥障」のように見えることに由来しています。このアオリイカは、4月から9月にかけて産卵期を迎え、海藻に卵を植え付けます。高知県ではこのことから「モイカ(藻いか)」と呼ばれることもありますが、近年、環境の変化によりその数は減少しつつあります。
NPO法人黒潮実感センターとの取り組み
四国水族館での展示は、NPO法人黒潮実感センターとの協力により実現しています。このセンターでは、持続可能な里海づくりを目的として、地域の学校と連携しながらアオリイカの産卵床を海に設置するプロジェクトを進めています。今年の5月には、間伐材を使用して作成した産卵床が設置されました。そして、その産卵床に産み付けられた卵が無事に孵化し、現在展示されている稚イカが誕生しました。地域の小学生たちもこのプロジェクトに参加し、環境保全についての学びを深める機会を持っています。
展示を通じて、来館者はアオリイカが卵から孵化し、成長していく過程を観察することができます。この取り組みは、単に生き物を見せるだけでなく、地域の環境問題について考えるきっかけとなるでしょう。
展示の詳細
アオリイカの展示は、四国水族館の本館棟1階、太平洋ゾーン 流れ藻の景にて行われます。展示開始日である2025年6月19日以降、来館者は生き物の状況に応じて変動する展示内容を楽しむことができます。アオリイカの成長や生態に触れる機会をお見逃しなく!
四国水族館の魅力
2020年にオープンした四国水族館は、瀬戸大橋の近く、香川県宇多津町にあります。「四国水景」をテーマに約400種の生物が展示されており、訪れる人々は四国の文化と共に水の豊かさを再発見できます。営業時間は通常9:00から18:00までですが、夏期の特定日は夜間営業も行っていますので、夕方からの訪問も楽しめます。館内はアクセスもしやすく、最寄りのJR宇多津駅から徒歩12分程度の距離です。
この四国水族館でのアオリイカの展示を通じて、地域の海の環境や生物たちへの理解を深めてみてはいかがでしょうか。これからの海の未来を感じる貴重な体験があなたを待っています。