自分の血液を活用した新しい再生医療PRP療法の可能性
最近、医学の分野で注目を集めているのが、
PRP療法(Platelet-Rich Plasma療法)です。この治療法は、患者自身の血液を使って行う再生医療の一つで、特に変形性膝関節症やスポーツ選手の怪我の治療において効果が期待されています。最近、
Arthrexが新たに販売を開始した
「Angel™ cPRP/BMCシステム」は、この治療法をさらに進化させるものとなっています。
PRP療法とは?
PRP療法は、患者の血液に含まれる血小板成分を利用し、成長因子などのタンパク質が行う治癒促進作用を活用したもので、治療方法は血液を遠心分離し、赤血球や一部の白血球を取り除くことで血小板が多く含まれる層(PRP)を抽出します。このPRPを患部に投与することで、組織の修復を促進させることができます。
Angelシステムの特長
この新しい
Angelシステムは、クラスⅢ医療機器であり、国内で初めて血液量に応じたPRPの濃度調整と自動分離が可能です。これにより、個々の患者ごとに最適化されたPRPを提供できます。特に、
ACPダブルシリンジとの併用により、血液の不純物を99%取り除きつつ、PUR濃度の調整ができる点が特に優れています。
このシステムは、手動操作を極力排除しており、血液は専用のディスポーザブルキットを通じて無菌的に処理されます。具体的には、抗凝固化血液を注入し、スタートボタンを押すことで、遠心分離から抽出までの一連のプロセスが自動で行われます。
先進的なセンサー技術
Angelシステムには、異なる波長を認識できる光学センサーが搭載されています。これにより、血液中の成分を正確に分類することが可能です。470nmの波長により血小板と白血球、940nmでは赤血球、1300nmでは周辺光や気泡の検出が行われます。これにより、高精度なPRPの抽出が実現されています。
Arthrexについて
Arthrexは、整形外科分野での医療機器の開発をリードしている企業であり、そのビジョンは外科医が患者により良い治療を提供できるよう支援することにあります。グローバルで展開し、革新的な製品を5000以上開発してきた実績があります。
Arthrex Japan合同会社として、日本国内にも展開しており、スポーツ整形外科の分野で医療機器の販売と教育を行っています。具体的な事業内容や取り扱い製品については、以下の公式サイトをご覧ください。
Arthrex Japan公式サイト
まとめ
Angelシステムの導入により、PRP療法はより精度の高い治療法として、さらに多くの患者に希望を与えるものとなるでしょう。これからの再生医療において、PRP療法の重要性はますます増していくことが期待されます。自分自身の血液を活用した治療法が、どのように未来の医療を変えるのか、注目していきたいところです。