高品質イチゴを生む新しい農業技術
2024年10月に発売予定の新しい農業ソリューション、閉鎖型アクアポニックスシステムは、神奈川県の株式会社アグリ王とアクポニによる魅力的な共同開発成果です。この技術は、農業と水産業を融合させた循環型の栽培方法で、高品質なイチゴの栽培を持続的に支えるものとなっています。
1. アクアポニックスとは?
アクアポニックスは、魚の飼育と植物の栽培を同時に行う持続可能な農業手法です。魚の排泄物は植物の栄養源となり、逆に植物が水を浄化することで魚にとっても良い環境が作られる、この相互関係がアクアポニックスの醍醐味です。農薬や化学肥料を使用せず、エコであることから、最近では注目が集まっています。
2. 高品質イチゴの秘密
アグリ王とアクポニは、2023年から横浜市港北区の試験農場で実証実験を実施し、アクアポニックスシステムで栽培したイチゴの平均糖度が15度に達したことを確認しました。一般的なイチゴの糖度は約10度程度ですから、この数値は非常に優れたものであると言えるでしょう。
この新しいシステムでは、LED照明を利用した栽培ラックや、容易な水質管理が可能な水槽、濾過循環器が組み合わさっており、限られたスペースでも高効率な栽培が実現できる設計となっています。また、アクアポニックスならではのエコロジーへの配慮と生産性の向上も同時に達成されています。
3. システムの詳細と販売予定
この閉鎖型アクアポニックスシステムの販売は、2024年10月9日を予定しています。設置面積は約5平方メートルから、ニーズに応じてカスタマイズが可能です。初期費用は177万円からで、最大30株のイチゴを栽培でき、1カ月あたり約5.5kgのイチゴが生産できます。
4. 農福連携への寄与
この技術は、障害者就労支援施設や企業の障害者雇用の促進にも寄与します。高齢者や障がいを持つ方も扱いやすい設計のため、農福連携の取り組みに最適なシステムとなるでしょう。
5. 今後の展望
持続可能性が求められるこれからの農業において、アグリ王とアクポニの取り組みは、多くの農業関係者からの注目を集めています。環境に優しく、安定した生産が期待できるこのシステムは、次世代農業の新たなスタンダードとなる可能性を秘めています。農業ファンや飲食店のニーズにも答えられ、フレッシュなイチゴを提供できる環境を整えることができるのです。
最新栽培技術を駆使したアグリ王とアクポニのイチゴ栽培システムが、これからの農業の未来を切り開いていくことを期待しています。