ORLIB株式会社の高エネルギー電池開発プロジェクト
2021年11月16日、ORLIB株式会社は、日本科学未来館で「インフラ検査ドローン用高エネルギー二次電池」の成果発表会を開催しました。このプロジェクトは、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)や国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの支援を受けて進められており、特にドローンの長時間飛行を可能にする革新的な電池の開発に取り組んでいます。
プロジェクト概要
ORLIB株式会社は、2020年5月にスタートしたスタートアップベンチャーで、持続可能な社会を支えるために新世代の二次電池開発に挑んでいます。特に、プロジェクトの柱となるのが全く新しいアプローチを採用した「多電子反応」です。この試みは、より高いエネルギー密度を持つ電池の開発を目指しています。
成果発表会では、特にインフラ検査用ドローンに対応した高エネルギー二次電池の開発について具体的な成果が共有されました。
開発された電池は、リチウムイオン電池の正極に高容量のシリコン負極を組み合わせており、さらに加圧電解プレドープ技術を採用することで高エネルギー密度を実現しています。これにより、特にドローンの飛行時間が大幅に延びることが期待されています。
飛行時間の大幅延長
発表会では、開発した電池を小型ドローンに搭載し、関係者の立ち会いのもとで実際の飛行時間を測定しました。その結果、従来の電池が約9分13秒の飛行時間であったのに対し、開発した電池では驚くべき15分50秒を記録。つまり、飛行時間が約1.7倍にまで伸びたのです。
この成果は、インフラ検査やその他のドローン用途において深刻な課題であった飛行時間の不足を克服する可能性を秘めています。会場には多くの関係者が集まり、この結果に対して期待の声を上げる場面も多く見受けられました。
科学界への発信
さらに、開発した電池に関連する技術的な詳細と実績については、2021年12月1日にパシフィコ横浜で開催される第62回電池討論会にて発表される予定です。これにより、業界全体におけるさらなる知見の共有と技術の進展が期待されています。
ORLIB株式会社の取り組み
ORLIB株式会社の設立日は2020年5月15日。東京都文京区に本社を構え、代表者は佐藤正春氏です。同社は、持続可能で豊かな社会を実現するために、より効率的で高エネルギーの二次電池の開発を行っています。公式ウェブサイトは
こちらからアクセスできます。
高エネルギー電池の開発は、今後のドローンの進化とそれによる新たなビジネスチャンスを創出することが大いに期待されています。