TOKYO WOODの挑戦
2022-06-07 09:00:07
多摩産材の未来を切り開く「TOKYO WOOD」の新たな挑戦
多摩産材の未来を切り開く「TOKYO WOOD」の新たな挑戦
東京の木を資源として活用するため、一般社団法人TOKYO WOOD普及協会は「地域型住宅グリーン化事業」を通じて多摩産材のブランド化を推進しています。近年、木材需要の高まりと供給の不安定さが問題視される中、今回の取り組みには大きな意義があります。
地域型住宅グリーン化事業とは
地域型住宅グリーン化事業は、省エネ性能や耐久性に優れた木造住宅の整備に対する支援を行うもので、地域の中小工務店が中心となったグループがその役割を担います。木材流通から製材、プレカットを行う事業者が連携し、共通のルールを策定することで、質の高い住宅供給を目指しています。国土交通省が採択することで、この取り組みはより強固なものになっています。
団体の構成
TOKYO WOOD普及協会は、原木供給者の田中林業株式会社や株式会社東京チェンソーズ、製材事業者の有限会社中嶋材木店、プレカット事業者の株式会社タカキ、さらに工務店の株式会社小嶋工務店から成り立っています。これらの企業が協力し、多摩産材のブランド化を進めることで、地域の資源を活かしたいと考えています。
現在の木材市場の課題
中小工務店の多くは、輸入材に依存する傾向がありますが、最近の「ウッドショック」により価格高騰や納期の遅延が生じている状況です。この影響は国産材市場にも波及し、原木や製品の供給が逼迫し、さらには価格上昇を引き起こしています。このような不安定な状況は、住宅建築のコストに直接的な影響を与え、地域の工務店の経営にとっても厳しい課題です。
新たな取り組み「TOKYO WOOD 第二ステージ」
TOKYO WOODの新たな提案は「TOKYO WOOD 第二ステージ」と名付けられています。このプロジェクトでは、原木供給者との直接取引を行い、出材データを駆使して木材需要とのマッチングを図っていきます。このようにして、地域産材の自給率を向上させ、安定供給の確立を目指しています。
プラットフォーム化と原木のカスケード利用
一つ目の実施内容は「プラットフォーム化」で、当団体が木材の安定供給の中心となり、需要と供給の実需に基づいた施策を展開していきます。また、原木のカスケード利用を促進するために、木材の分類や仕分けをスムーズに行える仕組みを整え、データ共有のアプリ「Timbeter」を導入します。これにより、効率的な木材流通を目指します。
今後の展望
TOKYO WOODのブランドが立ち上がってから10年が経過し、年間60棟の安定受注を達成しました。今後の目標は、木材の全てをTOKYO WOODの資材で構築した「ALL TOKYO WOOD」の実現です。林業のデジタル化を進め、需給の調整機能を持つシステムを導入することで、持続可能な木材利用を追求していきます。
地域の林業を育てる取り組み
最後に、東京の林業や製材業の実情を知るための勉強会を実施しました。この会は実務者同士の情報交換の場でもあり、地域の林業の新しい展望を示すものです。彼らの取り組みは、TOKYO WOODのブランド価値を高め、地域全体の振興にもつながっていくことでしょう。これからもTOKYO WOODの活動に目が離せません。
会社情報
- 会社名
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株式会社小嶋工務店
- 住所
- 東京都小金井市前原町5丁目8-15
- 電話番号
-
042-383-3322