平和のモザイクアート
2025-04-30 16:06:38
堺市立東百舌鳥中学校が挑む平和のモザイクアート「キッズゲルニカ」
堺市立東百舌鳥中学校が挑む平和のモザイクアート「キッズゲルニカ」
堺市立東百舌鳥中学校の60期生が、2025年5月の修学旅行を前に「記憶に残る平和への取り組み」を企画しています。このプロジェクトは、生徒たちが単なる記憶のためではなく、積極的に「平和」について考え行動することを目的としています。
彼らは、平和の象徴として94,000枚のシールを使ったモザイクアートを制作することを決定しました。この94,000という数字は、沖縄戦で犠牲になった一般市民の数に由来しています。彼らの挑戦は、シールを用いた大きな絵画を通して「平和」のメッセージを伝えるものです。
「キッズゲルニカ」プロジェクト
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このアート活動は国際的なプロジェクト「キッズゲルニカ」の一環として行われます。キッズゲルニカとは、ピカソの名作『ゲルニカ』と同じ大きさ(3.5m×7.8m)で、子どもたちが平和の絵を描くアート・イニシアティブです。すでに45ヶ国以上で210点以上の作品が制作されており、地球規模で平和の意識を広めることを目指しています。
プロジェクトは以下のような経緯で進められています。2024年12月に学年主任の野田岳志教諭から、修学旅行に向けた活動の検討が指示され、その後、修学旅行実行委員会の生徒たちから「巨大絵」の制作提案が出されました。 1月下旬には生徒たちが94,000枚のシールを使った巨大アートのアイデアを発案し、キッズゲルニカの存在を知りました。
共同制作のアイデア
2月上旬にはキッズゲルニカへの参加を正式に決定し、その後生徒たちは絵の案を集め、教員が制作課題を検討しました。また、近畿大学からの技術サポートも受けており、布に染色を施した垂れ幕を利用することで、沖縄戦と大阪大空襲を描く内容にすることが計画されています。
3月には、沖縄の琉球大学教育学部附属中学校との協働も決まり、両校の生徒がそれぞれの地域の伝統的な染色技術に基づいて、作品を共同で作り上げることになります。このような形で、離れた地域の中学生同士が交流し、一緒に作品を作ることに意義があると考えられています。
制作の進展
活動は着実に進行中で、3月には下絵の構想が決定し、4月にはシール貼り作業も始まります。267名の生徒がそれぞれ約300枚のシールを貼る作業に取り組み、完成予定は4月下旬です。完成した作品は、沖縄県営平和祈念公園内で披露される予定です。
これからの展示
また、完成作品は堺平和のための戦争展やキッズゲルニカ協会の各種イベントなど、幅広い場で展示されることになっています。これらの活動を通じて、堺市立東百舌鳥中学校60期生は「自分たちの記憶に残る平和学習」を果たすと同時に、地域や国を超えた「つながり」を育むことし、未来の平和への思いを強く伝えようとしています。
協力者・サポーター
この活動には多くの協力者がいることも注目に値します。近畿大学文芸学部や堺おおいずみロータリークラブなどが金銭的サポートや制作アドバイスを提供し、さまざまな企業やアーティストも技術的な支援を行っています。これにより、生徒たちは確かな技術をもって作品を制作することができています。
このように、堺市立東百舌鳥中学校の修学旅行に向けた「キッズゲルニカ」のプロジェクトは、平和に対する生徒たちの強い思いを反映したものです。彼らの取り組みを通じて、地域社会やさらには全世界に平和のメッセージが届くことを願っています。
会社情報
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学校法人近畿大学
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