FATFが「勧告16」改訂案を公表
令和7年2月24日、金融活動作業部会(FATF)は「FATF勧告16の改訂に関する説明文書及び勧告改訂案」という再市中協議文書を公表しました。この文書は、2024年2月26日から5月3日まで実施された初回の市中協議を経て、さらなる検討が行われた結果です。
この改訂案では、最近の決済市場の構造変化と、決済規格の標準化に伴う「同じ活動、同じリスク、同じルール」という原則に基づき、FATFの勧告16が見直されています。金銭の移動が行われる背景には、テクノロジーの進化や新たなプレイヤーの登場があります。そのため、現在の決済システムにおける透明性と安全性を維持し、より迅速で安価なクロスボーダー送金を実現するための取り組みが必要とされています。
改訂の主要ポイント
今回の改訂案には、以下の3つの重要な項目が含まれています。
1.
決済ビジネスモデルの変化に伴うプレイヤーの責任の明確化
新しい決済手法が登場する中、異なるプレイヤーの役割と責任を明確化し、リスク管理の向上を図ります。
2.
送信者と受信者情報の質の改善
送信者および受信者の情報の質を向上させることで、取引の透明性を高め、受取人情報の整合性を確認するプロセスを強化します。
3.
カード決済への適用範囲の見直し
カード決済の取り扱いを見直し、FATF勧告16の適用範囲を新たな決済環境に適応させます。
G20ロードマップへの適合
これらの改訂は、G20が掲げるクロスボーダー送金改善に向けたロードマップとも密接に関連しています。特に、安全かつ包摂的な決済手段を確保するための優先アクションとして、FATFの取り組みが重視されています。
コメント提出について
この市中協議文書に対するコメントは、令和7年4月18日までにFATFに英文で提出する必要があります。関心を持つ方々は、この機会を通じて意見を表明することが可能です。提出先は
[email protected]です。
結論
FATFの今回の改訂案は、決済透明性に向けた重要な一歩であり、国際的な金融の安全性を高めるための基盤にしています。これにより、ますます多様化する決済市場におけるリスク管理が強化され、利用者にとっても安心して利用できる決済環境を提供できるでしょう。これからの詳細な進行状況にも注目が集まります。