NECのAI技術とは
2025-01-21 11:30:20

NECが開発したAI技術で衛星通信装置の省電力化を実現

NECの新技術が切り開く衛星通信の未来



人工衛星の無線通信技術に革命をもたらすNECの新しい取り組みが注目されています。最近、NECはAIを駆使した波形歪補償技術を開発し、人工衛星の無線通信装置における増幅器の消費電力を約30%削減することに成功しました。この技術の革命的な側面について、詳しく見ていきましょう。

無線通信装置の課題と新技術



近年、通信インフラが整備されていない地域でのインターネット需要が高まっており、さらに気候変動の影響で地球環境の監視が求められる中、人工衛星の活用も増加しています。このため、無線通信装置の需要が高まり、その要件も厳しさを増しています。特に、消費電力の削減や装置の小型化は、これからの衛星通信にとって重要なテーマとなるのです。

衛星用無線通信装置の送信部は、増幅器が消費電力の大部分を占めています。従来の技術では、電力効率が悪い場合、大量の電力を放熱するための機器が必要になり、結果的に装置自体が大型化してしまう問題がありました。そこでNECは、AIを利用した波形歪補償技術を新たに開発しました。

技術の特長



1. 消費電力の削減



NECの波形歪補償技術は、無線通信装置の増幅器に特別なAIを用いることで、消費電力を劇的に削減します。従来の歪補償技術と比べて、回路規模をコンパクトにしながら、電力効率を向上させることができました。これにより、最終的に約30%の消費電力削減を達成し、放熱機器の容積も小さくすることが可能になります。

2. 自動回路設計ツール



また、NECは新たに開発した自動回路設計ツールにより、複雑な回路設計の作業を大幅に短縮しました。通常、数カ月かかる設計プロセスを約1時間で完了させることで、無線通信装置の開発スピードを飛躍的に向上させています。この技術によって、異なる無線通信装置への展開のスピードも加速するでしょう。

次世代の無線通信へ



NECは、これらの技術を用いて、人工衛星での無線通信機器の小型化や省電力化を推進し、非地上系ネットワーク(NTN:Non-Terrestrial Network)の発展に貢献することを目指しています。また、地上系ネットワークへの展開も行う予定です。これにより、未来の通信インフラが大きく変わることが期待されます。

これまでにない進化を遂げたこの技術は、宇宙通信の新たな可能性を広げるものであり、私たちの生活にどのような影響を与えるのか、非常に楽しみなところです。今後の展開にも注目です。


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会社情報

会社名
日本電気株式会社
住所
東京都港区芝5丁目7-1
電話番号

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