名古屋共立病院がふるえ治療で新たな成果
名古屋共立病院は、2017年7月に中部地方で初めて『MRガイド下集束超音波治療(MRgFUS)』を導入しました。以来、同院は本態性振戦やパーキンソン病の患者に対し、最先端の治療を提供し続け、2024年8月1日には中部地域で最速の200症例を達成しました。
この治療法は、従来の高周波凝固術や脳深部刺激療法と比べて、頭部を切開する必要がないため、患者にとって低侵襲な選択肢となります。特に薬物療法が効果を示さない患者に対し、MRI技術を駆使して、振戦の原因となる脳内の特定部位を熱凝固する方式で行われます。これにより、患者の負担を軽減しつつ治療効果を上げることが実現しています。
国内における治療実績
『MRガイド下集束超音波治療(MRgFUS)』は、日本国内で名古屋共立病院を含め、全部で18の医療機関に導入されています。当院では、取り組みを開始以来、実績を積み重ねてきました。特に2016年の薬事承認後に記録した2,201症例の中の200症例は、一つの病院の実績としては非常に高い数字であり、国内全体のおよそ1割を占めています。これは、名古屋大学脳神経外科との強力な連携によっても支えられています。
新しい治療法の詳細
この新しい治療法は、MRI画像を駆使して精密に治療位置を確認し、その位置に集束した超音波を当てることで、振戦の原因部分を熱によって凝固させるものです。一回の治療時間は平均で3〜4時間、入院期間は治療日を含めて2泊3日です。
症例200例目の患者は70代の男性で、右手のふるえに悩まされていました。治療後、超音波を10回照射した結果、顕著に症状が緩和され、日常生活においての改善が見られました。ただし、治療の効果には個人差があり、適応外とされる患者もいます。
名古屋共立病院の理念
名古屋共立病院では、「常に最新の先端技術を導入し、高度な専門医療を目指す」という基本理念を掲げています。副院長津川隆彦氏は、中部地方でのFUS治療のリーダーとしての役割を引き続き果たす意向を示しています。
終わりに
名古屋共立病院が実施している『MRガイド下集束超音波治療(MRgFUS)』は、今後も多くの患者に希望をもたらすと期待されています。詳しい情報は、
名古屋共立病院・集束超音波治療センターの公式サイトを参照してください。