水素航空機実用化へ、一歩前進!
日機装株式会社が水素航空機向けの液化水素ポンプの2次試作に成功しました。この技術は、極低温の液化水素を使用した画期的なものであり、実用化に向けての重要なステップとなります。
背景
水素航空機は、持続可能な航空分野の未来を担う次世代の航空機として注目されています。燃焼時に二酸化炭素を排出せず、環境への負荷が小さい水素を燃料とすることで、航空業界の脱炭素化を進める可能性が高まっています。そのため水素は、同等のエネルギーを持ちながら液化することで体積を大幅に圧縮できるため、航空機への燃料供給に適しています。
このポンプの開発は、川崎重工業と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の協力の下で進められ、日機装はその液化水素ポンプの開発を担っています。水素航空機の研究は2021年に始まり、ここまでの数年間で多くの進展がありました。
2次試作ポンプの進化
日機装は、ポンプの改良にも取り組み続けています。1次試作では、従来よりも小型かつ軽量な設計に成功し、高速回転が可能な電動モータを開発しました。この結果、浸漬状態で運転できる小型電動モータの運用が実現しました。
そして、今回の2次試作では更なる性能向上が見られました。ポンプの吸い込み性能は、約2倍に向上し、流量を1.2倍、吐出圧力は1.4倍に増加しました。この向上は、水素航空機のスムーズな運用にとって非常に重要な要素です。
特に、ポンプ吸引部には新たに設計されたインデューサが導入されており、流体の流れを整えることで効率的な動作を実現しています。また、インペラの多段化も施され、高速回転を持続しながらも実用化へ向けた仕様へと進化を遂げています。
今後の展開
試験は2025年6月に秋田県のJAXA能代ロケット実験場で行われ、詳細な装置の点検と測定データの分析が行われます。今回の成功を受けて、日機装はさらなる技術的な改良を進め、最終的には供試体ポンプを2026年3月までに川崎重工業に納品することを目指しています。納品後、燃料供給システムの検証に使用される予定です。
会社概要
日機装は、1953年の創業以来、産業用特殊ポンプやシステム、医療機器、航空機部品などを手がけてきました。脱炭素社会の実現を目指し、今後も水素航空機向け液化水素ポンプの研究・開発に注力していく所存です。詳細については、公式ウェブサイト(https://www.nikkiso.co.jp/)をチェックしてください。
この試作の成功を受け、水素航空機実用化に向けた期待が高まっています。日機装のさらなる技術革新に目が離せません!