2024年度野菜と家庭菜園に関する調査：価格重視の野菜選びと家庭菜園の実情

2024年度野菜と家庭菜園に関する調査結果

毎年8月31日は「野菜の日」。この日に合わせて、タキイ種苗株式会社が実施した「2024年度野菜と家庭菜園に関する調査」は、野菜の選び方や家庭菜園への関心、そして現在の消費状況について深く掘り下げています。今年で16回目を迎えたこの調査は、全国の20歳から69歳までの男女600人を対象にしています。

1. 野菜選びの変化

調査結果の中で特に注目されたのは、野菜選びにおいて「価格」が最優先事項となり、「鮮度」を上回った点です。これまで多くの人々が重視していた食材の新鮮さが、物価高騰の影響を受けて変わりつつあるのです。具体的には、「価格の安さ」と答えた人が65.0%に達し、これは今後の消費行動に影響を及ぼすと考えられます。

参照のデータによると、野菜を十分に摂取できていないと考えている人が増加し、その理由として「野菜の値段が高いから」が30.8%と上位に挙げられています。これは物価の上昇が消費者の選択に影響を与えていることを明確に示しています。

2. トマトの人気復活

興味深いのは、好きな野菜としてトマトが再び第一位に返り咲いたという点です。2023年には8位に沈んでいたトマトですが、食べるだけでなく自分で育てたことがあるという人も多く、育てた野菜のランキングでも首位を維持しています。家庭菜園の開始とトマトの人気が相まって、消費者は再びこの赤い果実に魅力を感じています。

3. 家庭菜園の傾向

家庭菜園に関しては、経験者が減少傾向にあるものの、継続したいと考えている人は高い意欲を示しています。具体的には、家庭菜園経験者の93.1%が今後も続けたいと回答しており、このデータからも家庭菜園が持つ「やりがい」が伺えます。多くの人が家庭菜園を通じて健康で新鮮な野菜を取り入れ、子供への教育の一環としても役立てていることが観察されました。

4. 機能性野菜への期待感

また、機能性野菜に対する期待も高く、摂取意向は85.4%に達しています。特に「疲労感を軽減する機能」が最も求められており、健康意識の高まりが見て取れます。これは、野菜がただの食材でなく、健康をサポートする重要な要素であることを証明しています。

5. 食品ロスと意識

一方で、食品ロス問題に対する意識も徐々に高まっています。66.4%の人が食品ロスを強く意識していると答えており、物を無駄にせず利用しようとする行動が少しずつ広まっています。ただし、具体的な行動は減少傾向にあるようです。

6. 今後の展望

調査結果から、野菜の価格上昇に対する対策として「価格上昇の影響が少ない野菜を使う」ことが最も多く挙げられています。このように、家計の厳しさが感じられる中で、賢い選択をする消費者の姿も浮かび上がっているでしょう。

2024年度の調査は、消費者が野菜をどのように考え、どのように生活に取り入れているかを浮き彫りにしています。さらに、健康意識の高まりに応じて、家庭菜園も新たな注目を集めています。今後も、野菜が私たちの生活において重要な役割を果たし続けることが期待されます。