岡山大学の若手研究者に「研究准教授」の称号付与、新たな挑戦が始まる

岡山大学の若手研究者に「研究准教授」の称号が授与される

国立大学法人岡山大学では、2025年2月27日に松本和幸講師を始めとする三瀬広記助教、石野貴雅助教、松本尚美助教に「研究准教授」の称号が付与されることが発表されました。この称号の授与式は那須保友学長のもとで行われ、各受賞者の研究内容も紹介されました。

松本和幸研究准教授の挑戦

松本和幸准教授は膵臓で発生する癌について専門的に研究しており、特に「膵神経内分泌腫瘍」に対する治療法の開発に取り組んでいます。彼の研究は、日本医療研究開発機構（AMED）の「革新的がん医療実用化研究事業」に採択されており、患者の負担を軽減するための内視鏡的な低侵襲治療法を確立することを目指しています。膵臓は消化に重要な酵素やホルモンを分泌しているため、手術による摘出で糖尿病や消化障害を引き起こすリスクもあるため、松本准教授のアプローチには大きな意義があるとされています。

三瀬広記研究准教授の発見

三瀬准教授は糖尿病関連の腎臓病、特にDKD（糖尿病性腎症）に関する研究を進めています。2024年3月には、DKDの進行を促進する新たなメカニズムが明らかになり、得られた研究成果は「Nature Communications」誌に掲載されました。この発見により、腎不全を防ぐための新たな治療ターゲットとして、ミトコンドリアの特定の機能が関連付けられました。

石野貴雅研究准教授のがん免疫療法

石野准教授は、がん免疫療法の一環としてがん細胞と免疫システムの相互作用に注目しています。「免疫チェックポイント阻害剤」は従来の治療法の効果が薄い患者にも高い可能性を持つとされていますが、その奏功率には限界があります。石野准教授は、がん細胞の質的評価に基づく新しい治療効果の向上を目指し、さらなる研究を続けています。

松本尚美研究准教授のライフコース疫学

松本尚美准教授は、ライフコース疫学の観点から、子供たちの健康に関連する要因を探求しています。特にコロナ禍が子供の精神面や健康にどう影響を与えたのかを分析し、科学的な根拠に基づいた公衆衛生施策の向上に寄与しています。彼女の研究結果は、今後の医療サービスの質の向上にも活かされることでしょう。

終わりに

今回の称号付与は、国の医療研究の発展にも寄与するだけでなく、地域医療にポジティブな影響を与えることが期待されています。岡山大学は、多様な研究に取り組む若手研究者の育成を進めており、今後の活躍から目が離せません。

岡山大学のウェブサイトでは、各研究者の詳細なプロフィールや研究テーマが紹介されていますので、ぜひチェックしてみてください。