産後うつ支援アプリ「MotherCare」の開発が加速
東京都AMDAPに採択された意義
株式会社ソーシャルサービス(本社:東京都千代田区)が、令和7年度の東京都「先端医療機器アクセラレーションプロジェクト(AMDAP)」に採択され、産後うつ支援アプリ「MotherCare」の開発が加速しています。このプロジェクトを通じて、産後うつの早期発見と予防、治療を目的としたプログラム医療機器としての社会実装を目指しています。
深刻な産後うつの現状
近年、日本では年間約20万件の児童虐待が報告されており、特に生後1歳未満の子どもが危険にさらされています。この原因の一つが、産後うつに起因するメンタルヘルスの問題です。実際、健康な女性の20%が産後うつを発症する可能性がありながら、日本における受診率は非常に低く、多くの母親が未治療のまま重症化しています。
産後うつ支援アプリ「MotherCare」について
「MotherCare」は、認知行動療法(CBT)のアプローチを取り入れたプログラム医療機器で、特に感情調整に焦点を当てた最新の「統一プロトコル(UP)」を基盤としています。このアプローチでは、個々の感情に対する理解を深め、それに柔軟に対処する力を育てます。
特筆すべきは、アプリに搭載されているセルフモニタリング機能です。これにより、母親自身が心の状態を客観的に把握し、早期に産後うつのリスクを察知することが可能になります。さらに、必要に応じて医療機関と連携して適切な介入を行うシステムも整備されています。
ユーザー評価と臨床試験の結果
2024年から2025年にかけて、国立精神・神経医療研究センター(NCNP)との共同研究により、妊産婦60名を対象とした医師介入型の臨床試験が実施されいます。この試験では、継続率の向上が確認され、育児の悩みに役立つコンテンツや気分記録の機能が好評を得ています。
社会実装に向けた取り組み
AMDAPに採択されたことで、ソーシャルサービスは専門家の支援を受けながら、デジタル医療機器としての実装に向けた開発を進めることができます。代表取締役の白形は、「12年間の妊産婦支援経験を活かし、社会理解を広げつつ心の治療を提供する」と述べています。
まとめ
児童虐待の防止や心の健康を支える「MotherCare」は、今後の妊産婦支援において重要な役割を果たすことが期待されています。新しいテクノロジーを駆使して、ママたちが安心して育児に臨める環境を整えるため、私たちは引き続き取り組みを続けていきます。