アンリツが非地上系ネットワークの5Gテストに成功
アンリツ株式会社は、5G NRモバイルデバイステストプラットフォーム「ME7834NR」を活用し、非地上系ネットワークNR NTNのテストケースに対する対応を実現しました。この試験は、国際的な通信規格を策定している団体、3GPPのRAN5部会によって打ち出されたものです。これにより、5G NR NTN端末の評価環境が整い、通信業界に新たな展開をもたらすことが期待されています。
NTNとは何か?
非地上系ネットワーク(NTN)は、地上とは異なる空間、すなわち宇宙空間や高空での通信を実現するためのプラットフォームです。具体的には、低軌道(LEO)や中軌道(MEO)、静止軌道(GEO)の衛星を使用し、あらゆる場所での通信を可能にします。3GPP Release 17のもとで、5G NR仕様にNTNが組み込まれ、新たに地上基地局と同じプロトコルを用いて衛星と接続が可能となりました。これによって、従来の地上ネットワークを補完し、携帯電話ネットワークが届かない地域でも、安定した通信が可能となります。
アンリツの役割
アンリツのモバイルソリューション事業部の横尾大三郎部長は、5G端末の開発を支援する意義を次のように述べています。「私たちの対応により、地球のどこにいても途切れないモバイルデータや音声、メッセージングの接続を実現します。個々のユーザーや企業、産業の通信環境を整えることに貢献していきます。」これは、特に常に接続されていることが求められる分野において、非常に価値のある取り組みです。
テスト規格と展望
今回のテストは、5G向けの試験規格(3GPP TS 38.523-1)および技術仕様(3GPP TS 38.331)に基づいて実施されており、アンリツはこれらの新しいテストケースを3GPP RAN WG5に提出しました。試験の詳細は、3GPP RAN5の公式ポータルサイトで公開されています。
ME7834NRの特長
アンリツの「ME7834NR」は、5G NRテストプラットフォームとしてGCFやPTCRBに登録されており、さまざまな無線アクセス技術に対応しています。このテストプラットフォームでは、3GPP準拠のプロトコルコンフォーマンステスト(PCT)や事業者受入試験(CAT)などが行えます。
具体的には、5G NR技術におけるスタンドアローン(SA)やノンスタンドアローン(NSA)に加えて、LTEやLTE-Advanced、W-CDMAなどもカバー。また、OTAのRF Chamber MA8171AとRFコンバータを組み合わせることで、5G NRのSub-6 GHzからミリ波(mmWave)帯までの試験が可能です。
今後の期待
アンリツの取り組みは、グローバルな5G通信の実現に向けて重要なステップとなります。宇宙や高空からの通信が可能になれば、多くの人々に新しい接続手段を提供し、通信環境を飛躍的に向上させることができるでしょう。これを機に、ますます進化する通信技術に注目が集まります。
詳しい情報は、アンリツの公式Facebookページでもご覧いただけます。
https://www.facebook.com/AnritsuTandM/