量子計算技術の社会実装を推進する株式会社Quanmatic(クオンマティク)は、早稲田大学戸川研究室と共同で、ゲート式量子コンピュータ向けのアルゴリズム研究開発を本格化すると発表しました。
この共同研究は、量子計算分野におけるアルゴリズム開発の第一人者である戸川研究室の専門性と、Quanmaticが持つ量子計算技術・古典計算技術による数理最適化技術を融合することで、ゲート式量子コンピュータの社会実装を加速させることを目指しています。
近年、量子コンピューティング分野では、様々な用途に適用できる「誤り耐性のある汎用量子コンピュータ(FTQC)」の実現が期待されています。しかし、ゲート式量子コンピュータの実用化に向けては、ハードウェア性能の課題に加え、適切なユースケースの探索が課題として挙げられています。
Quanmaticは、実用化の第一歩として、最適化計算を想定しており、今回の共同開発において、すでに初期的な研究成果を得ています。本成果は、2024年11月14日に開催される電子情報通信学会で発表される予定です。
Quanmaticは、今後もゲート式量子コンピュータ向けのアルゴリズム開発、既存アルゴリズムの計算パフォーマンス向上、新たなアルゴリズムの開発・実装を推進することで、量子計算技術の可能性をさらに拡大していくとしています。
ゲート式量子コンピュータとは?
量子コンピュータは、量子力学の性質を利用して特定の計算を古典コンピュータよりも高速に解く可能性を持つコンピュータです。特にゲート式量子コンピュータは、大規模な数値計算、素因数分解、データベース検索といった難解な問題に対して強力な計算能力を発揮する一方、誤り訂正の課題があり、開発が発展途上にある技術です。
Quanmaticとは?
Quanmaticは、2022年10月に設立された、量子・古典計算技術のアルゴリズム知的財産権と研究成果をビジネス課題に適用するための最適化エンジンの開発を継続的に進める企業です。ハードウェアに依存しない汎用的なソリューションを展開することで、世界中の情報の実用的な活用を目指しています。