カスハラ対策の現状
2026-10-26 19:33:20

カスハラ対策の現状を探る:3割が未着手の対応策と増加する認知度

カスハラ対策の現状を探る



概要


株式会社帝国データバンクが行った最新の調査によると、カスタマーハラスメント(通称カスハラ)や不当な要求を受けた企業の割合は、直近の1年間で15.3%に達しました。この調査は全国22,095社を対象に、2026年9月14日から9月30日の期間に実施され、1万235社からの有効回答を得ています。前回調査では16.7%だったため、微減ではあるものの、被害の実態は依然として厳しいものです。

調査結果の詳細


調査結果を解析すると、業界別に見たカスハラ被害は特に小売業が際立っています。小売業では、カスハラの実態として約30%の企業が被害を報告しており、こちらも応対の多さが影響しています。また、金融業、不動産業、サービス業も高い割合を示しています。

一方で、企業間取引が主なBtoB業界では受ける影響がやや少なく、製造業や卸売業では7.6%と比較的低い数字です。しかし、元請け企業などからの不当な要求についての懸念は根強く、多くの企業がその対処に悩んでいる様子が伺われます。

認識の変化とカスハラへの対策


カスハラに関する認知も進展しています。調査によれば、カスハラが無いと答えた企業は67.2%に達しました。これは、カスハラという言葉が広まり、消費者の言動に対して監視が強まった結果とも解釈できます。その背景には、コンプライアンス意識の向上や企業内の方針周知が寄与しています。しかし、正当なクレームとカスハラの違いをつかむことに苦しむ企業も多く、対応策が必要だと感じている企業も存在します。

約7割の企業がカスハラ防止策を実施または計画していますが、33%に相当する企業は未だ具体的な対策ができていないのが現状です。特に中小企業では、人員や資金の制約から、具体的な対応方法が見いだせていない点が課題とされています。たとえば、「カスハラ対策の専門的なノウハウが不足している」との声や、「一部の従業員による理解不足が懸念されている」という意見もあり、企業の方針策定や周知といった基本的な取り組みは進めつつも、実効性ある手法が整備されていない場合が少なくありません。

具体的な取り組み


調査においては、従業員への企業方針の周知が最も一般的な取り組み(37.8%)として示されました。「カスハラを容認しない企業方針の策定」や「相談窓口の設置」も続きますが、再発防止策の実施は2割に満たず、課題が残ります。

企業規模で見てみると、大企業では82.6%が取り組みを開始しているのに対し、中小企業では66.5%に留まっていることがわかります。この差は、リソースや人員の制約、経営者との距離感に起因していると考えられます。特に中小企業では、社員と経営者の距離が近いため、公式な窓口設置が省略される事が多いようです。

結論と今後の展望


カスハラ問題は今後も続くと予想され、企業はこの課題に真摯に取り組む必要があります。また、法令の変更が行われたことで、今後はさらなる対応が求められるでしょう。中小企業への具体的支援が不可欠であり、外部相談窓口やマニュアルの整備といった実行可能な支援が産業全体の健全な運営に繋がることが期待されます。

今後、企業が持続可能な社会を支えるためには、従業員の安全な労働環境を保障し、適切なカスハラ対策を進める姿勢が求められます。これまで以上に、この問題に対する企業の取り組みと、社会全体での認識を深めることが急務となるでしょう。


画像1

画像2

画像3

会社情報

会社名
株式会社帝国データバンク
住所
東京都港区南青山2-5-20
電話番号
03-5775-3000

トピックス(地域情報)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。