「第1回みどりGXサミット」の概要
2025年3月17日、持続可能な食と農の実現を目指すコンソーシアム「みどりGXラボ」の初の交流イベント「第1回みどりGXサミット」が、東京都世田谷区にある東京農業大学で開催され、約250名が参加しました。イベントは会場とオンラインのハイブリッド形式で行われ、農業の環境負荷削減や脱炭素化に向けて、さまざまな産業や消費者との連携強化が求められることが確認されました。
参加者の多様性と講演内容
サミットには、環境に配慮する農家、JA(農業協同組合)、消費者、自治体、企業、研究者など、幅広い層の参加者が集まりました。その中には、俳優の永島敏行さん、そして昨年7月の設立イベントに参加した自民党の坂本哲志国対委員長も参席しました。記念講演は、有機農業の専門家である千葉商科大学の小口広太准教授が「食と農のつながり~その一歩先へ~」というテーマで行い、地産地消と有機農業の融合を提唱しました。特に地域の農業を支える消費者との関係づくりの重要性を強調しました。
パネルディスカッションでの議論
続いて行われたパネルディスカッション「みどりパートナーズサミット」には、農業者やJAと他の産業との連携について論じるため、みどりGXパートナー会員から6社・団体が登壇しました。各団体の専門家たちは、農業環境の改善に向けた具体的な事例や意見を交わし、一体的なアプローチの必要性を訴えました。
「みどりGXアワード」の受賞者
持続可能な農業の実現に寄与した実践例を表彰する「みどりGXアワード」の授賞式も行われました。農業部門でのグランプリには、茨城県のJA常陸が選ばれ、その取り組みとして、有機農産物の生産を推進し、地域の学校給食への導入を実現した点が評価されました。JA常陸の秋山豊組合長は、成功を収めた取り組みの背景に、地元の魅力ある農産物を未来にわたって提供するための努力を聴衆に向けて振り返りました。連携の部門でのグランプリは、大阪府南部を拠点のスーパーマーケット「サンプラザ」に贈られ、特別賞には栃木県の水稲農家「稲作本店」が贈られました。
未来に向けた政策提言
今回のサミットでは、みどりGXラボの2024年度における活動の成果として、農業の脱炭素化や有機農業にかかる政策提言「みどりGXビジョン」の発表も行われました。このビジョンは持続可能な食と農に向けての青写真を示すものであり、今後の方向性を議論する重要な基盤となることでしょう。
次回のセミナーと内容
みどりGXラボは、2025年度に向けて会員の興味に基づいたテーマを深堀りするオンラインセミナーを毎月開催する予定です。第一弾として「シリーズ有機農業①自治体に何ができるのか」を4月18日に予定しており、実践例として北海道旭川市、京都府亀岡市、大分県臼杵市の取り組みが報告されます。参加は会員登録をすれば無料です。
みどりGXラボについて
「みどりGXラボ」は、日本農業新聞が主催し、気候変動の影響を受け、持続可能な食と農を実現すべく設立されたコンソーシアムです。農業関係者だけでなく、企業や自治体、消費者といった多様な主体が参加し、定期的なオンラインセミナーや交流イベントを通じて問題解決を目指しています。会員登録は無料で、農業の成長に貢献する学びと仲間づくりの場となります。